#109 伝統に旋風!~天領の下駄王子~

2017年10月28日(土)(テレビ朝日 放送) 大分放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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江戸時代、幕府の直轄地”天領”として栄えた大分県日田市。林業の盛んなこの町の名物の一つが「日田下駄」時代とともに、後継者が減っていく中、新しいアイデアで伝統工芸を守り、その魅力を発信しようと奮闘する若き職人が、本野 雅幸さん(36)。

本野さんは25歳で家業を継いだ三代目。
「下駄王子」と称され注目を集めています。

手掛ける下駄の材料は、地元日田産の杉。一方、デザインは既成の枠に収まらない斬新な物が多数。
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希望の布をコーティングする華やかな「布あそび下駄」に、かかとの高い「ひーる下駄」、地元のネイリストとコラボした「デコ下駄」等々。見た目はユニークですが、工芸品としては、いずれも父から受け継いだ匠の技に裏打ちされた出来栄え。家族4人で、共に支えあいながら、下駄の製造を手掛けています。

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現代ファッションにもマッチする下駄にこだわり、今では1年待ちの状態の作品も。映画にも採用され、全国各地の物産展でも声がかかるほどに。
若者ならではの柔軟さで、「日田下駄」を盛り上げています。

「愛される日田下駄」をコンセプトに、挑戦を続ける、若き職人の思いに迫ります。

編集後記

ディレクター:髙橋 宏明(大分放送)

江戸時代、幕府直轄の天領として栄えた大分県日田市。そして、当時から伝わる伝統工芸が“日田下駄“。手掛けている「下駄王子」は、ネイリストやクラフト作家など、多くの地元作家と協力して、 “日田下駄”を新たな形で世に売り出しています。

「斬新な下駄をきっかけに、昔ながらの下駄にも興味を持ってほしい。」「伝統を残したいのが1番なんです。」現在、日田で下駄産業にかかわる人は年々減少。最盛期200軒あった下駄工房も、10軒にまで減り、近い将来、3軒ほどしか残らないことが予想されています。

こうした現状を打破するために、あえて新しいことに挑戦し、出来上がったのが“オリジナルの日田下駄”。実際に見ると分かりますが、非常にオシャレでとってもかわいらしいデザイン。しかも従来の特徴である、「履き心地」を守っています。「東京の原宿などで流行ったりしないかな」と、妄想を膨らましながら、日々取材を進めていました。

ただ、現在は全国展開を行う大手ショップや、インターネットでも、「下駄王子」の日田下駄を見ることができ、妄想ではなく、着実に知名度は上がってきています。オリジナルの日田下駄は「下駄王子」だけでなく、コラボ作家さんたちあってこその作品。1つ1つ手作業のため、大量生産は今後も難しいでしょう。しかし、だからこそ受けた注文には100%の思いを込めて、製作しています。実際に届いたときには、きっとそのデザインと繊細な技術に驚くはずです。

継いだ当時は20代。「下駄王子」の愛称も優しく受け止められていましたが、現在は36歳。今後は徐々に「王子」の愛称が重くなってくると、本野さんは語ります。ぜひ、「天領」という歴史ある街・大分県日田市で、「下駄王子」の手掛けた下駄を、自分用に、そしてプレゼントとして、今、手に取ってみてください。あなたの下駄のイメージが、180度変わります。

番組情報

◆本野はきもの工業
【電 話】0973-22-4460
【FAX】0973-24-4343
【メール】mail@hita-geta.com
【H P】http://www.hita-geta.com/index.html

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