
中国地方最高峰「大山(だいせん)」。一年を通して、多くの人が訪れる人気の山です。
その大山に惚れ込んだのが写真家の柄木孝志さん。柄木さんは、大阪の出版社に勤めていましたが、仕事に追われる日々に疲れ、15年前、鳥取県にIターン。田舎でのんびり暮らす道を選びました。そんな鳥取で、偶然見た大山の朝焼け。この光景に心を奪われ、柄木さんは、風景写真を撮り始めることになりました。

一方で、柄木さんが力を入れているのが、鳥取の風景を活かした町おこし。大山観光局のメンバーと奮闘しています。その中で、注目を集めているツアー、その名も「大山星空で遊ぶツアー」。回りに何もないことを逆手にとり、星空の中で、ここだけの特別な一枚を撮影します。
また、鳥取県西部の伝統工芸「和傘」にスポットをあてたイベント「大山和傘灯り(あかり)」。スマートフォンでも簡単に撮れるように、
和傘の配置や照明にもこだわっています。毎年、多くの人が訪れ、今では夏の風物詩となっています。このように写真家ならではの視点で、斬新なアイデアを生み出し、町おこしへと繋げていきます。
そして、柄木さんが実行委員長を務めるイベントが「とっとりバーガーフェスタ」。大山の麓で行われる、この大会は、ご当地バーガーの日本一を決めるもので、今年で10年目をむかえます。
大会は、一過性の盛り上がりではなく、各地の町おこしに繋がるバーガーの開発が目的。行政や生産者と連携し、大会後の地域発展に繋げることを願っています。そのことを伝えるために、柄木さんは、全国どこにでも飛んでいきます。
番組では、沖縄に向かった柄木さんに密着。バーガーでの町おこしは、全国へと広がっています。
そして、向かえた今年のバーガーフェスタは、台風のため延期。その後の会場変更も行わず、あくまでも大山の麓で行うことにこだわります。そこには、柄木さんの大山への思いが込められていました。番組では、何事にも目的を持ち、10年後、20年後の未来を見据えて行動する写真家を追いました。
編集後記
ディレクター:渡辺 将史(日本海テレビ)
今回の舞台は、中国地方最高峰「大山(だいせん)」です。まずは、大山の美しい風景、そして、番組の主人公、柄木孝志さんが撮影する美しい写真に注目していただければと思います。柄木さんが撮影するのは、風景写真。鳥取で偶然見た、大山の朝焼けに心を奪われ、風景写真に没頭する日々が始まりました。「田舎だから何もない」こう思う人は、多くいると思います。実際に私もそうでした。しかし、写真家の柄木さんと出会い、この固定観念を覆されました。星空の中で行うツアーは、満天の星空とそびえ立つ大山を背景に参加者が好きなポーズで写真を撮ります。これは、自然に囲まれた、この地域だからこそ撮影できるもの。柄木さんは、このような宝を各地で探し、そこだけのツアーを誕生させています。この番組が自分の地域にしかない宝を探すきっかけになれば、うれしいです。