#156 天地源流 ~打て!魂の鼓動 ゆふいんの風にのれ~

2018年11月17(土)(テレビ朝日 放送) 大分放送制作 協力/文部科学省 総務省 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

源流太鼓
日本屈指の温泉観光地・大分県由布市湯布院町。ここに40年にわたって活動を続けている和太鼓団体があります。それが「豊の国(とよのくに)ゆふいん源流太鼓」。1979年、代表の長谷川義(ただし)さん(67)が湯布院の自然を音にして全国へ発信しようと立ち上げました。武道の動きを取り入れた力強く躍動感あふれる演奏が反響を呼び、「ゆふいん源流太鼓」は創作和太鼓の先駆けとして全国から出演依頼が相次ぐように。

代表長谷川さん
何度も存続の危機に直面しながら40年続いてきた理由はただひとつ「太鼓への愛」でした。現在は国内外で年間100回近い公演を行っています。メンバーは創設当初から皆それぞれ本業の仕事と両立しながらの活動。

また「ゆふいん源流太鼓」は地元の子どもたちに太鼓の指導を行っています。「太鼓を通して人生のいかなる舞台でも自分自身を発揮できるようになってほしい」と長谷川さんは言います。少年団
その思いは湯布院から九州へ。毎年大分県で開催する「全九州和太鼓サマースクール」は、九州を中心に約200人の子どもや若者が集まり和太鼓の基礎を学ぶ夏合宿。講師は日本のトッププロ奏者ばかりです。

また長谷川さんは2007年から台湾でも太鼓の指導を行っています。呂学韋(ロ・ガクイ)さん(24)は台湾で見た「ゆふいん源流太鼓」の演奏に心をうたれ2017年に来日。呂学韋さんメンバーの冨永希一さん(44)が経営する旅館スタッフとして働きながら太鼓の修業を続けています。2018年10月大分県で開催された国民文化祭おおいた2018「太鼓の祭典」では「豊の国(とよのくに)ゆふいん源流太鼓」がとりを務めることに。40年たった今、長谷川さんの心に灯るふるさとへの思いとは。

編集後記

ディレクター:藤澤真由美(大分放送)

今回の主人公「豊の国ゆふいん源流太鼓」代表・長谷川義さん(67)は、見た目はちょっと(いや、かなり?)怖そうな男性ですが、実はとても優しく純粋で一途な人です。その長谷川さんが40年もの間「好き」という思いだけで続けてきたのが「太鼓」でした。

80年代に始まった和太鼓ブーム以降、ダンス等のパフォーマンスと和太鼓の演奏を融合させた団体が人気を博す中「ゆふいん源流太鼓」は素朴で力強い演奏スタイルを貫いてきました。私も初めて彼らの演奏を聴いたとき涙が出そうになりました。それはおそらく長谷川さんが作る曲がすべて湯布院の自然をイメージしたもので、どこか郷愁を誘うからだと思います。

またメンバー全員本業の仕事と両立しながらの活動で、夜、山奥の峠に集合しては車のヘッドライトを照明代わりに毎晩2~3時間練習しています。取材時は「この人たち本当にタフだなあ」と思いながら練習を見つめていました。夏から初秋にかけての取材だったので体感的にちょうどよく、つくづく真冬じゃなくてよかったと思いました。野生の鹿の声もよく聞こえました。

そして今回番組に癒やしを与えてくれたのが台湾からやってきたメンバー呂學韋さん(24)(※通称ガクさん)。湯布院の旅館で働くガクさんの一日は、朝食の準備⇒部屋の掃除・片付け・セッティング⇒2~3時間休憩⇒宿泊客の夕食配膳⇒夜の太鼓練習⇒土日祝日はほぼ公演・・・。仕事と太鼓一色です。とにかく本人は「太鼓がうまくなりたい、太鼓を打っているだけで楽しい」と話していました。

演奏の質はプロ級でありながら「自分たちはプロではない、太鼓打ちでもない、太鼓が好きなだけ。」と公言する長谷川さん。番組内で「ゆふいん源流太鼓」が指導しているジュニアチームの保護者が、太鼓の練習に励む息子を見てこう語ってくれました。「自分の中で一番のものがある、打ち込めるものがあるというのは大事なこと。それに出あえて本当によかった」。

現代社会の中で、仕事以外で情熱を燃やせるものがあるというのは人生をより豊かにするのだということを実感しました。そして自分の思いを貫くにあたり、支えてくれた周囲の人への感謝の気持ちを決して忘れてはいけないことも学びました。

番組情報

◆「豊の国ゆふいん源流太鼓」事務局
【住 所】大分県由布市湯布院町川南848番地(由布院いよとみ内)
【電 話】0977-84-2007(事務局長・冨永)

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