#160 畳と縁(よすが)~人生の節目を畳で祝う~

2018年12月15(土)(テレビ朝日 放送) 沖縄テレビ制作 協力/文部科学省 総務省 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

高江洲周作さん
沖縄本島に「たかえす畳店」2店舗を構える、畳職人の高江洲周作さん。畳の需要は掘り起こせばまだまだあると挑む周作さんは、宮古島から出てきて沖縄本島で自分の店を持った。その「たかえす畳店」の商品が今、沖縄で注目されている。それが「命名畳」。沖縄では、子供が生まれると、その子の氏名や誕生日、身長体重などを記した「命名札」や「命名紙」を作るが、それを畳表に印刷して販売しているのだ。沖縄の文化とマッチして人気を集めている命名畳が、畳表の張り替え需要も促して、店の売上
自体を伸ばしているという。


周作さんが畳と向き合う姿勢として特徴的なのは、いろんな人とつながりを持っていること。「命名畳」を実際に作っているのは、宮古島の周作さんの兄と後輩。「命名畳」刺繍バージョンは、周作さんがかつて通った福岡県の畳の訓練校時代の後輩、外園健司さんが製作。それは、病のため畳の仕事ができない外園さんの力に少しでもなれるようにと願った周作さんの想いからだ。熊本県のい草農家、酒井泰四郎さんとは毎年、い草の収穫の手伝いをさせてもらう間柄。「命名畳」が沖縄以外でも売れるためのアドバイスを、周作さんは酒井さんから熱心に受けている。勿論、地元沖縄のい草・照間ビーグの畳表を仕入れる時も、周作さんはい草農家・兼城賢信さんの所へ直接足を運ぶ。

熊丸さんと高江洲さん
そんな忙しい日々を過ごす周作さん、畳の手縫いの練習にも力を入れている。そのために福岡の先輩、熊丸剛さんの所に年に2回、足を運ぶ。

若手畳職人・高江洲周作さんがここまで畳に夢中なのはなぜなのか?ひたむきに畳に向き合う周作さんを追った。

編集後記

ディレクター:本橋亜希子(沖縄テレビ)

主人公、高江洲周作さんと出会い、取材を進めるにつれ、様々な発見と感動があった。まず、「畳の市場は低迷している」という私の印象が、思い込みだったということ。周作さんの店舗では、「畳表の張り替え」に関する売り上げはむしろ伸びているという。それをけん引しているのが、周作さんが売り出す「命名畳」だった。

また、畳職人である周作さんが、い草農家の大先輩に受け入れられていることも驚きだった。39歳の周作さんに期待を寄せているのは熊本県のい草農家で60代の方。い草農家は多くの畳職人を相手にするだけに、“畳職人のやる気を見抜く目”は厳しいというが、周作さんは認められ、期待される存在となっていた。また、病のために畳職人を断念せざるを得ない後輩の力になりたいと、周作さんは「命名畳」の刺繍バージョンの製作を、福岡県に住む後輩の所に発注。二人には強い絆が結ばれているはずだが、それも「さらっと」していたのが印象的だった。

周作さんは何事においても物おじしない。行動力や人付き合いもそう。登場人物が多いのは、高江洲周作という人物がそれだけ、沖縄を超えて人々と繋がっているという表れでもある。だからと言って、もともと畳に情熱を注いできたかと言えば、「畳作りは嫌いだった」ことも驚きだ。

今回の取材を通じて、畳に関する情報を発信する敷物新聞社からも、番組をPRしますとの嬉しい応援を頂いた。高江洲周作という人物の魅力をこの番組から感じ取って頂ければ、これ以上に嬉しいことはない。

番組情報

◆たかえす畳店
【電 話】098-996-4151

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