
宮崎県最南端のまち串間市。
都井岬の御崎馬や幸島の猿など自然が豊かな観光地として知られ、特産品の「さつまいも」は、全国4位の収穫量を誇ります。その串間市に、2013年すごい会社ができました。「くしまアオイファーム」です。さつまいもに特化した農業法人で生産から流通までを手掛けます。
社長は池田誠さん(48歳)。 親の後を継いで自身もさつまいもの生産者として働いていました。
嫌々取り組んでいた農業でしたが、40歳の時に「このままではいけない!なにかチャレンジしたい」と思い、自力で販売先を開拓。「消費者には安く、生産者には利益を!」と43歳で起業しました。
それまでの農業のあり方を見直し、消費者の求める味やサイズを展開。地元串間市では宮崎紅という品種が主力で栽培されていましたが、くしまアオイファームでは多品種を栽培し、消費者のニーズに応え
ています。

会社の急成長を支えるのは、池田さんに賛同し県内外から就職した若いスタッフ。アイデアを活用した事業展開で、またたくまに年商11億5千万円(今年度見込み)の会社に成長しました。最近ではバーチャルユーチューバーにも挑戦!いものキャラクターを作り、ユーチューブで楽しく発信しようと準備しています。

そして、積極的に取り組んでいるのは宮崎では珍しいベトナム人の農業実習生の受け入れ。彼らは、生産や流通梱包の現場で、くしまアオイファームの海外進出を支えています。
くしまアオイファームのスタッフたちは、やりがいを持ちながら楽しく仕事に取り組んでいます。池田さんは、「若いスタッフは宝。こんな陸の孤島の田舎に来てくれる!彼らと一緒に仕事をすることで、生きていると実感できる!」といいます。
「若い力と一緒にさつまいもで世界を目指す」農業
法人の取り組みを紹介します。
編集後記
ディレクター:日高七菜子(宮崎放送)
「くしまアオイファーム」この会社が設立したころから取材をさせていただいています。くしまアオイファームのスタッフに会うと、とてもすがすがしい気持ちになります。挨拶などはもちろんですが、現場で感じるのはお互いのスタッフたちが信頼しあっていること。なにか問題があればすぐ言葉に出して相談!解決していきます。
設立当初から若いスタッフたちの意見をすぐさま取り入れ、アイデアをカタチにしてきた元気な会社です。今やスタッフが増え、その勢いが増しています。スピード感と処理能力がさらにパワーアップ!それもスタッフたちのアイデアや行動で、取り組まれた能力です。
社長の池田誠さんは、副社長を農産物を海外に輸出する商社に勤めた経験があり、英語が堪能な奈良迫洋介さんにしました。従業員のなかには家族もいますが、能力のある人には血縁も関係ない!会社のためには会社のためになる人を!と、田舎の企業にはない潔さがあります。
さつまいもの農業法人として海外輸出や契約農家の拡大、昨年は大学との共同研究など 「くしまアオイファーム」がチャレンジしてきたことはたくさんあります。それを成し遂げたのは、スタッフが生き生きと「やりがいを持って会社のために」に動いた結果です。そして、スタッフがやりがいを持ち能力を発揮できるのは、池田さんの経営術です。働く意義や楽しさをどうやったら持つことができるのか?番組が働く楽しさを見つけるヒントになれば大変うれしく思います。