#193 長谷を真っ赤に染めよう~信州発!中学生がトウガラシに夢中?~

2019年10月19日(土)(テレビ朝日 放送) 信越放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ


長野県伊那市。南アルプスと中央アルプスに抱かれた長谷の集落。ここに全校生徒41人の小さな中学校がある。校舎の一角にあるのは、ラー油工場。食用油脂製造業の許可も得て本格稼働中。ここで作られているのが、長谷中学校オリジナル・ラー油「長谷の太陽」。1本税込み500円。伊那市のふるさと納税の返礼品にも選ばれた。材料のトウガラシ、ネギ、ニンニクは学校の畑で育てた自家製。作っているのは、2年生15人。先頭に立つのは、前の校長の高木幸伸先生(61)と2年生の担任・田中祐貴先生(41)だ。


県内でも、とりわけ過疎と高齢化が進む集落を元気にしたいとの思いから、オリジナル・ラー油作りは始まった。だから、材料のなかで最もこだわっているのが、地域伝統の八房トウガラシの栽培。学校の畑のほか、急増する耕作放棄地も有効活用。赤く実ったトウガラシで長谷を真っ赤に染めよう、と張り切っている。いずれはトウガラシを長谷の名産にして全国に売り出したいと夢をふくらませている。


長谷中学校は、食育にも力を入れている。高木先生が中心になって、総合学習で野菜を育て、学校給食に使っている。農薬を使わず、虫に食われたり形が不揃いだったりするが、採れた野菜によってメニューを変えるなど、旬の恵みいっぱいの給食を通して、生徒たちは食について学んでいる。

5月に苗を植えたトウガラシ作りは、順風満帆とはいかない。信州大学の研究者からは厳しい指摘を受け、夏の畑にはサルも出没。地域の人の畑では雑草と格闘した。信州の山あいの中学校を舞台に、トウガラシ作りに奮闘する先生と生徒たちの、山あり谷ありの半年を追った。

編集後記

ディレクター:宮川伊都子(信越放送)

長野県の南部、伊那市長谷地区は人口1,700人余りの小さな集落です。ここに唯一ある長谷中学校の全校生徒はわずか41人。どんどん子どもが少なくなる中、中学生から地域おこしを発信しようと考えたのが、「長谷を真っ赤に染めよう大作戦」。増え続ける耕作放棄地に、地域伝統の「八房トウガラシ」を植え、学校に油脂製造業の許可を取った工場を作り、“メイドイン長谷中”のラー油を作って売り出そうというものです。すごい取り組みだと思い、取材を始めたところ、だんだんカメラに背を向け、取材に消極的な姿勢を取り始めた子ども達。逆に先生は、地域が抱えるこの現状や子ども達の活動を発信したいと取材に協力的。このため、取材の主軸を先生の考えや思いに置くよう方向転換していきました。

子ども達の指導をする2人の先生、髙木幸伸先生と田中祐貴先生はとにかくパワフルで熱血。しかし、愛情いっぱいのため、子ども達も素直に付いていきます。総合の授業で、トウガラシを植え、草取りをし、信大の准教授からトウガラシの講義を受け、地域にも農作業に行き、ラー油を作り、売り方を考え…と、子ども達は机上では学べない『生きた授業』を受けています。「お勉強は…?」と、思うこともありましたが、先生曰く「臨機応変に考える力」は人一倍あるとのこと。全国あちこちにあるだろう過疎化と高齢化、少子化が進む地域の現状と今後の希望が番組を通して、少しでも見えればと思っています。

番組情報

◆伊那市立 長谷中学校
【住 所】〒396-0402 長野県伊那市長谷溝口1080
【電 話】0265-98-2050
◆道の駅 南アルプスむら
【住 所】〒396-0401 長野県伊那市長谷非持1400
【電 話】0265-98-2955

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