#243 走れ!やさいバス ~リケジョママ社長の挑戦~

2020年12月5日(土)(テレビ朝日 放送) 静岡放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

全国有数のお茶の産地、静岡県牧之原市にある小さなベンチャー企業が今注目を集めています。農業ベンチャー「エムスクエア・ラボ」。従業員6名、“農業×ANY=HAPPY”を掲げ、農業と他の産業や技術を組み合わせればあらゆる問題は解決すると、農業に関する様々な事業を展開しています。エムスクエア・ラボの代表を務めるのが加藤百合子さん(46)。東京大学農学部出身、こんがらがった問題大好き。解析オタクの加藤さん、農業が抱える課題に挑みます。。

年々上がる配送料が農家を苦しめてきました。野菜1000円に対して1500円の物流コストが掛かる、野菜を作っても運べない、欲しくても買えない。そんな声が増えるなか、加藤さんが生み出した新しい物流システムが「やさいバス」です。やさいバスは、農家と消費者を結ぶ産地直送のシステム。街中の店や商業施設などに設置された野菜の集荷・出荷を行うコンテナをバス停に見立て、集配トラックが定時巡回して野菜を運びます。

消費者から注文を受けた農家は、収穫したその日に最寄りのバス停へ野菜を出荷。やさいバスは決まった時間に消費者最寄りのバス停へ運んで回り、消費者は自由な時間にその日に採れた新鮮な野菜をバス停に取りに行くことができます。やさいバスが扱う野菜はすべて農家の言い値で取引され、今まで市場に出ることのなかった絶品野菜が消費者の元へ届くように。最大のメリットは共同配送による、配送コストの大幅な削減。農家の利益を一番圧迫していた配送料の悩みを解決する一手となったのです。3年半前に静岡で生まれたやさいバスは、
静岡の農業の物流を明るくしました。

2020年やさいバスは全国展開を目指し、県外へ進出し始めました。地域が変わっても農業が抱える問題は同じだと加藤さんは考えています。そして神奈川県で同じ悩みを抱えるある農家に出会います。「本当に物流の孤島でして…」と訴える農家の思いに加藤さんは動きます。美味しい野菜を届けたい、農家と地域を繋げようと奮闘する女性社長を追いました。

編集後記

ディレクター:渡邉佳昭(静岡放送)

「種が一粒あれば食べ物を作り出し、お金を生み出す。農家ほど強い人たちはいない。」
初めて加藤さんとお会いした時に仰っていた印象的な言葉です。
ベンチャー企業社長と聞くと、眼光鋭くギラギラしていてお金の話に敏感というような勝手な苦手意識を持っておりましたが、加藤さんとお会いするとその不安は杞憂に終わります。誰に対しても物腰が柔らかく、人の懐に入るのがお上手でよく笑う、とてもチャーミングな女性でした。
やさいバスは、関わるすべての人が平等に幸せになるように設計されたシステムです。農家、お店、運ぶ人、消費者、みんなが少しずつ同等に利益を分け合って成り立っています。経済合理性ばかりを追い求めると、作る人と食べる人の繋がりは希薄になり、結果として色々なものが上手く回らなくなると加藤さんは考えています(加藤さん曰く、お金を第一に考えると発想は陳腐になるそうです)。
一見どこにでもありそうな物流の仕組みですが、非常にシンプルで柔軟性があり、他の産業や市場とのコラボがし易く、取材を進めるほどに唯一無二の仕組みではないかと思わされました(実際、他の生鮮品の物流への広がりやコラボが始まっています)。
分け隔てなく様々な市場や農家と関わり、すべての人を幸せにしていく“やさいバス”、まさに加藤さんのお人柄を投影したような物流システムです。
「仕組みを広めるのは一つの過程でしかなく、食べ物や人と人とが楽しく繫がり合うというのが最終目標」と加藤さんは語ります。ぜひ、番組を見て笑顔が繋がっていく瞬間を楽しんで頂けたらと思います。

番組情報

株式会社 エムスクエア・ラボ
https://www.m2-labo.jp

やさいバスHP
https://www.vegibus.co.jp

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