#320 晴れやかに 私らしく ~35歳 女性僧侶の決意~

2022年10月08日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 宮崎放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

今年6月、実家のお寺を継いで僧侶に転身した女性がいます。甲斐晴惠かいせいけい)さん、35歳。元々は結婚式やイベントの司会業をしていました。子どもの頃から、実家を継いで僧侶になることはまったく考えていなかったといいます。

転機が訪れたのは2年前。実家は約1300年前に創建された天台宗「王樂寺(おうらくじ)」。その住職だった父・裕隆(ゆうりゅう)さんが肝臓がんのため余命3か月と宣告されたときのこと…きょうだいが集まり、寺の今後について話し合うなか、毎朝境内の掃除を欠かさず、寺に咲く花の話をうれしそうにしている父の姿が目に浮かびました。「この場所をなくしてはいけない」…長女の晴恵さんは司会業から僧侶へと転身し跡を継ぐことを決意。出家の意志を伝えると、とても喜んだという父・裕隆さん。亡くなる3週間前まで法事や葬式を勤めあげ、住職としての道を全うし、去年3月永眠。

その後、出家した晴惠さん。剃髪して比叡山延暦寺で2か月に渡る修行も。午前2時に起床、沐浴や長時間の読経など厳しい日々でしたが「父も同じ修行を乗り越えてきた」と自らを奮い立たせ今年6月、晴れて僧侶に。毎日、朝夕のお勤めや掃除、お経の勉強など多忙な晴惠さん。父の苦労をあらためて実感しています。7月には僧侶になって初めて「護摩供(ごまく)」の法要を執り行いました。檀家や住民が集まるなか、1時間半に渡り行われた祈祷。緊張と寺を継ぐというプレッシャーを抱えながらも、温かく見守ってくれた人たちに感謝の涙を流します。

息抜きはインコや犬と遊ぶこと。家族に手料理をふるまうことも。「まだスタートラインに立ったばかり。父と同じように、みなさんに慕われるような存在になりたい」と話す晴惠さん。晴れやかに自分らしく…新たな人生を踏み出した、新米僧侶の日々を見つめます。

編集後記

ディレクター:日髙 良敬

取材に伺うと必ず聞こえる晴惠さんのお経はとても心地良かったです。結婚式やイベントの司会をしていたからだと思いますが声がきれいで良く通ります。

住職になるためには「覚えることが山ほどあります」とのことで時間があるとお経の勉強を良くしていた晴惠さん。普段は、明るくおだやかな女性ですがお経を読み始めるとキリッとした表情に変わります。一日に密着させてもらいましたが、僧侶の仕事は多岐に渡ります。朝のお勤めから本堂や庭の掃除、書き物があったり、来客があったり。その合間にお経の練習や師僧との勉強会などなど。取材は夏だったのでとても暑かったんですが汗をかきながら奮闘していました。

日課の散歩では近所の方に会い、いろんな話をします。主に天気や農作業の世間話ですがこれが大事。話し方やしぐさで体調の変化に気付くこともあるそうで、お年寄りを気遣う優しい声掛けをしているのが印象的でした。

普段の様子にカメラを向けると「誰も興味ないですよ~」と晴惠さん。でも、ペットのプリちゃんと遊んだり、料理する晴惠さんはどこか楽しそう。遊びながらうまくリフレッシュしています。インタビューで語っていた「これから胸を張って私らしく頑張る」。お寺の良いところを守りつつ晴惠さんの色に染まっていく。そんな場所になると思います。

番組情報

王樂寺
【住所】宮崎市大字瓜生野1067

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