#343 秘境の森は ゆうえんち~村のトム・ソーヤーと子どもたち~

2023年6月03日(土)05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 宮崎放送 制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

宮崎空港から車でおよそ3時間。曲がりくねった山道を進むと「日本三大秘境」のひとつとされる宮崎県椎葉村(しいばそん)があります。村の9割以上が山林で人口はおよそ2500人。高齢化率は45%を超えています。もちろん、コンビニは1軒もありません。村の中心部からさらに山奥へ車で40分進んだところにある尾向(おむかい)地区には、ユニークな一級建築士がいます。「椎葉のトム・ソーヤー」こと尾前一日出(おまえかずひで)さん(63)。
 尾前さんは地元で設計会社を営むかたわら「大人も子どもも楽しめる遊び場を作りたい」と、7年前から、地区の子どもたちと一緒に小学校跡地に森の遊び場を作っています。その名も「森のゆうえんち」。いつしか子どもたちはそう呼ぶようになりました。
 これまでツリーハウスやすべり台、ブランコ、ジップラインなど、子どもたちが遊んでみたい遊具を毎年1つずつ、一緒に作ってきました。
「大人も子どもも楽しめる遊び場を作りたい」と42歳の時に地元に戻ってきた尾前さん。その時に抱いたのが、尾向地区全体を森のゆうえんちにしたいという大きな夢です。
「森のゆうえんち」は、子どもたちに学びも与えてくれます。「焼き畑」と呼ばれる伝統的農法は、戦後の拡大造林計画によるスギ・ヒノキ林への転換など、社会情勢の変化に伴って急速に衰退、現在継続して行われているのは、椎葉だけとなりました。「森のゆうえんち」では、この焼き畑を子どもたちが体験し、地元の文化を身近に感じることができます。

尾前さんの原動力は椎葉から巣立っていく子どもたちが、再び村に戻ってきてくれる楽しい尾向地区にしたいという強い思い。
 尾前さんは子どもたちとのふれあいを通して、人と人とがつながっていくことの大切さ、手作りの面白さを伝えながら、たくましく成長する姿を見つめています。

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