#352 一玉入魂!熱き男たちの思い ~大分・日田天領スイカ~

2023年8月12日(土)05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 大分放送 制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

九州北部・福岡県と熊本県に隣接する大分県日田市。暑い町として有名な日田市は、知る人ぞ知るスイカの生産地。ここに「日田天領スイカ」という名前でスイカを生産している3人の男たちがいます。JAおおいた日田天領西瓜部会の秋山大輔さん(31)、梶原真悟さん(36)、小山誠司さん(46)。それぞれの農園でスイカを1~2万玉生産しています。

一般的なスイカの糖度は11度ですが、日田天領スイカの糖度は平均最低12度以上。シャリシャリとした食感と桃と同じくらいの甘さがあるのが特徴です。

栽培方法にもこだわる3人は甘くておいしいスイカを作るため、つるの手入れや温度管理など、朝から晩まで畑で作業。「おいしいスイカをつくるのに魔法の作業は存在しない。愛情を込めて手を抜かず、丁寧に育てること以外方法はない」と梶原さんは話します。

選果作業も自らが行い、生産したスイカのほとんどをJAに出荷しています。2022年には、最新鋭の選果機を導入。スイカを割らずに糖度などの品質をセンサーで測定できる機械…これにより、より安定した高品質のスイカを届けることができるように。

さらに日田天領スイカの魅力を積極的に発信。SNSを使ったPRはもちろん、販売会を通じて消費者に直接その魅力を伝えるなど、若者らしく新たなことに次々とチャレンジしています。

来年、新たな生産者が加入する予定の日田天領西瓜部会。3人の夢でもある、大分県日田市がスイカの一大産地だということを全国に知ってもらうこと、そして「農業をやってみたい」と思う若者をどんどん増やしていくこと…その夢の実現に向けて、ひたむきにスイカ作りに励む3人の男たちを追いました。

編集後記

ディレクター:田中智基(大分放送)

今回取材にあたった期間は5月上旬~7月下旬。その間、大分県日田市の日中の最高気温が全国一だった日を何度か経験しました。というのも、日田市は全国でも有数の“暑い町”として知られています。そんな、うだるような暑さの中「日田天領スイカ」は生産されています。広大なスイカ畑に日陰はなく、ただひたすらスイカ作りに励む生産者の姿に感心させられっぱなしの日々でした。

日田天領スイカは3人の生産者が中心となって作られています。部会長で最年少の秋山大輔さん(31)は、3人の中で一番スイカ作りの経験があります。会社を立ち上げ、従業員を雇用している秋山さん。進んで企業化したのには、自らの実体験がありました。秋山さんは若者が働きたいと思えるスイカ作りの環境を整えています。

梶原真悟さん(36)は、実家の梨農家を継ぐ予定でしたが、日田天領スイカの前の部会長に憧れ、スイカ作りの道を歩み始めました。梨農家の父との関係、スイカ作りへの情熱と家族との時間、部会としての覚悟など、取材を通じて梶原さんの葛藤の日々が垣間見えました。しかしそれは、梶原さんがより高みを目指しているからこその表れではないかと感じました。

 小山誠司さん(46)は、日田天領スイカの前の部会長だった父親が他界し、スイカを受け継ぎました。時には、裸足で作業することも…。理由を尋ねると「少しでもスイカのつるを踏むリスクを減らしています」とのこと。そこまでやる必要があるのかとも感じましたが、小山さんが収穫の際「お嫁に行くようで寂しい…」とつぶやいている姿を見て、小山さんにとってのスイカ作りは、まるで我が子を育てているようなものなのだと感じました。それくらい深い愛情を注いでスイカを育てているのです。

取材を通して、三者三様の日田天領スイカだと感じるとともに、最高のスイカを届けたいという共通のプロフェッショナルな心意気を強く感じました。

これから日田天領スイカが、ひいては日田のスイカ全体が盛り上がって、全国に広まっていくのではないかと期待しています。

番組情報

JAおおいた西部営農経済センター 園芸課
【電話】0973-23-7646

真六園芸
代表者名:梶原真悟 https://shinroku.theshop.jp

小山農園
代表者名:小山誠司

株式会社アグリーフル
代表者名:秋山大輔

ご意見・ご感想

皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。
お寄せいただいたコメントにはすべて目を通しておりますが、必ずしも掲載されるものではございませんのでご了承ください。
なお、企画提案、商品宣伝、イベント告知等に関する投稿は固くお断り申し上げます。

※ 記入欄に、お住まい(都道府県)もご記入いただければ幸いです(任意)