#361 今年もスーツで米作り!~クールに楽しく!自分流農業~

2023年10月21日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山形放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

山形県川西町(かわにしまち)の米農家、斎藤聖人(きよと)さん(35)は、農作業のときはいつもスーツ姿。「自分が楽しんで農業をしている姿を若い人たちに見てもらい、農業に関心をもってほしい」…。農家の高齢化や米の消費の落ち込みで「このままでは米農家は立ちいかなくなる」と危機感をもっています。農家自らが考え、行動することが大切…聖人さんが動き出します。東京のデザイナーとコラボし、聖人さんの米を原料に加えた「お椀」を販売。自然由来のお椀に価値を見出してくれるお客様をターゲットに新たな形を提案したのです。

聖人さんは10 年前、勤めていた会社を辞め、実家の米農家を継ぐため兵庫県からUターン。当初スーツ姿の聖人さんに誹謗中傷が…。そんな時、一番の理解者は妻の美友生(みゆき)さんでした。聖人さんは妻と子ども2人の4人家族。家族が今、夢中になっているのがK-POP…推しのグループが共通の話題に。

聖人さんは、高齢化や後継者がいないなどの理由で米作りができなくなった田んぼを引き継いでいます。大雨の際、貯水池となって災害を防いだり、日本の原風景を残すなど田んぼが持つ機能を残したい…。さらに取り組んだのが、農作業で出るプラスチックごみをリサイクルした素材からTシャツを作ること。作業着として循環させています。今年の米の収穫は猛暑の影響で、例年より1週間ほど早まりました。新米を初めて炊いた日は聖人さんの両親も一緒に、家族全員で味わいます。スーツ農家、聖人さんの日々を見つめます。

編集後記

ディレクター:金内 忠(山形放送)

私が斎藤聖人さんと出会ったのは2014年、情報番組で取り上げたのが始まりです。就農して2年目で、米農家の父・善一さんにいちからを教えてもらっていました。聖人さんがスーツを着ているのは「自分が楽しみながら農業をしている姿を若い人に見てもらい、農業に関心をもって欲しい」という思いからでした。これからの成り行きが気になり、取材を続けています。

取材で分ったのは聖人さんが米作りに真摯に取り組む姿勢でした。丈夫な苗を育てるため、種もみを十分、消毒したり、発芽の状況を確認するため夜中も2~3時間おきに見回りしていたのです。聖人さんは取材がより中身の濃い内容にしてくれることもあります。YouTube用に田んぼに実った稲穂を撮影に行った時のことです。なんと、稲穂から花が咲いていました。珍しい光景を撮影できるよう、日程を合わせてくれたのです。
聖人さんが就農して10年が経ち、米農家として技術的にも知識的にも大きく成長しました。地元JAの青年部委員長を務めたり、非常勤講師として公立高校で農業関係の授業を受け持つなど、地域の農家からも信頼される人物になっていました。スーツもその日の気分や季節に合わせて着こなし、帽子もスーツに合わせて選ぶなど心に余裕を持って仕事をしている様子がうかがえます。

これまで聖人さんと出会って農業に関係する仕事に就いた人はいません。聖人さんも自分の思いが広がらないのが悩みでした。しかし、今年、聖人さんが教えている高校の生徒が授業をきっかけに、地元の農業法人へ就職を目指しています。
就農して10年、ようやく手応えを感じることができたのです。私も聖人さんがきっかで若い人が農業に就き、地元を盛り上げてくれることを願っています。

番組情報

斎藤聖人さんのYou Tube チャンネル
「スーツ農家サイトウキヨト」

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