#362 亡き母と歩む 三姉妹食堂

2023年10月28日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 北日本放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

富山県富山市の中心部から車で10分離れた場所にある「山家(やまや)食堂」。創業56年、カウンター8席のどこか懐かしい雰囲気の食堂は、実の三姉妹が営みます。

食堂の営業は平日の昼から夜まで。カウンターには旬の食材を使ったおかずがずらりと並び、お客さんがひっきりなしに訪れるにぎやかなお店。食材の仕込みをするのは、一番小柄で一番の力持ちの長女、貴美子さん(73)。料理の味付け担当、きりっとしたショートヘアーの次女、信子さん(71)。
細やかな気配りで接客する三女、恵美子さん(68)。
そんな食堂には、店内を見渡せる位置に一つの椅子が…。
食堂を始めた三姉妹の母、静子さんが生前に接客していた場所です。

9年前に亡くなった静子さんは90歳を超えても、金庫番としてお店に立ち続けていた名物おばあちゃん。常に前向きな姿とお客さんにも遠慮しない物言いは、常連さんにとってもお母さんのような存在。三姉妹の仕事観や人生観は母の生きざまが大きく影響しています。そんな母、静子さんは東京大空襲で家も夫も失い、我が子と夫の実家である富山県へ。慣れない農業に尽力し、一族14人の大家族を養うため、52歳で「山家食堂」を立ち上げ、昼夜問わず働き続けました。

ほのぼのとした「山家食堂」での日常と、三姉妹それぞれの人生、亡き母への思いを通して、人が生きるためのよりどころ、家族とのつながりを見つめます。

編集後記

ディレクター:藤井春来(北日本放送)

三姉妹が営む食堂との出会いは、夕方のワイド番組のコーナーで、突然お伺いすることになったのが最初。どこか懐かしい雰囲気の店内で、仲良しの三姉妹が営み、広いカウンターに敷き詰められたおかずが美味しいそう、だけではない「なにか」があるのではという感覚がありました。

食堂へ通ううちに気づいたのが、三姉妹の母の存在。常連さんや三姉妹が何かあるごとに母とのエピソードを語り合うのが食堂の日常。そんな母、静子さんは90歳を超えてもお店に立ち続けたパワフルな人で、三姉妹は揃って母について「あの人は別格、お化け」と笑いながら話します。

しかし、いざ取材を始めると、三姉妹も母に負けずのパワフルさ。朝の準備から深夜の片付けまで、今の働き方改革とは逆行する目一杯働く姿に「皆さんも十分にお化けだよ」と思ったのと同時に、ここまでして母の生きた場所である食堂を守る娘たちと母の親子のつながりと、今でもお客さんや三姉妹の心に生き続ける母の姿が印象的でした。

富山県に来た際はぜひ寄ってみてください。おまかせ定食がおススメです。

番組情報

山家食堂
【住所】富山県富山市西長江321110
【電話】0764249252

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