#426 忘れてもいいんだよ ~妻と歩む おだやかな日々~

2025年05月24日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山形放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

山形県山形市で暮らす土田達夫さん(74)と妻・直子さん(75)。2016年、当時66歳で「アルツハイマー型認知症」と診断された直子さんを達夫さんが介護しています。直子さんは服の着替えや食事、入浴するのが難しく達夫さんの支えが必要。今、料理を作るのは達夫さんですが、それまで台所に立つことはほとんどありませんでした。食事のとき、最初は自分で食べる直子さん。しかし、途中ではしが止まり、達夫さんの介助が必要になります。

旅行好きの直子さんのために達夫さんが企画した一泊二日の温泉旅行。大好物の団子を食べたりしながら観光スポットを巡り、笑顔を見せる直子さん。そして、その様子を見てうれしそうな表情を見せる達夫さん。一方で、旅行の思い出を共有できないのが何よりもつらいと話します。たとえ旅行の思い出を忘れてしまっても、また一緒に出かけたい…そこには達夫さんが大切にしている、ある思いがありました。

長年ピアノの先生をしていた直子さん。定期的に友人たちと集まり、自宅や公園などで大好きな歌を歌っています。一緒に食事をしたり会話をして笑ったりするのが、夫婦にとって貴重で大切な時間。友人たちとの交流会では、ある驚きの出来事が…。

夫婦が大切にしてるのは「できること」に目を向けた生活。65歳以上の高齢者の約3割が認知症またはその予備群とされる時代。認知症介護のリアルに迫るとともに、前を向いておだやかに歩く夫婦の姿を見つめます。

 

編集後記

ディレクター:菅 伸広(山形放送)

誰もがなり得る認知症。もし自分が認知症になってしまったら…家族が認知症になったらどのように介護すればいいのか…土田さん夫婦の生活を見つめると、そのヒントが見つかるはずです。

土田さん夫婦と初めて会った時の印象は、おだやかで笑顔がすてきな夫婦だなと思いました。達夫さんは常に直子さんを気にかけていて、直子さんもその優しさに気づいているように私は感じました。直子さんは週3日ほど認知症対応型のデイサービスに通っています。その間、達夫さんは幼稚園で働いていています。

直子さんはアルツハイマー型認知症と診断されてから10年目を迎え、その当初は想像を絶する苦労がありました。達夫さんは「今までの人生で経験した葛藤やいらだちとは比較にならないほど大きなものだった」と言います。そんな生活の中で支えになったのが教会や「認知症の人と家族の会」で出会った人々との交流です。達夫さんは楽しかったことや生活の悩みなど何でも語り合うことができ、直子さんも自然と笑顔になることが多くありました。

家庭以外で笑顔になれる場所がある。それが、夫婦にとって心のよりどころになっています。この番組を通して認知症を自分とは関係のない世界だとは思わず、一人一人が考えるきっかけになれば幸いです。

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