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日本の多くの地域が抱える「放置竹林」という問題。驚異的な繁殖力で森林を飲み込み、生態系を崩すだけでなく、宅地や畑にまで侵食する放置竹林は「竹害」とも呼ばれ、深刻な脅威となっています 。このやっかい者を「お宝」に変えるべく奮闘するのが、NPO法人代表理事の曽根原宗夫さん、通称そねさん。今回の舞台は長野県飯田市。かつて天竜川の舟下りで船頭をしていたころ、竹に飲み込まれていく景色に強い危機感を抱いたのが活動の原点でした 。見て見ぬふりはできないと、たった一人で竹林の整備を始めたのです 。
逆転の発想のひとつが、これまで「食べ物ではない」とされてきた、1.5〜2mに成長した幼竹を資源に変える「国産メンマ」作り 。幼竹が「バンブーダイヤモンド」へと変わり、地域の新たな価値を生み出します 。40都府県にいる仲間とつくった「純国産メンマプロジェクト」で、竹林整備を持続可能な産業へと変える道筋をつけてきました。
「竹の繁殖力に負けない人間のネットワークを」というそねさんの情熱は、多くの人を惹きつけます 。全国から集まる大学生ボランティアの中には、飯田での活動を「帰省のよう」と語り、何度も訪れる学生も 。伐採した竹を使い、ゴミを出さない「竹網バーベキュー」は、大切な交流の場 。そして、卒業後もNPOの会員として関わり続ける若者も。かつて竹藪で近づけなかった川岸には、子どもたちが下りて遊べる美しい新緑の景観が戻っています 。再び舟に乗り「こういう景観を作りたかった」と語るそねさん。この夏「竹いかだ」を作って、観光の目玉にしようと新たな夢を描いています 。
編集後記
ディレクター:依田倫博(信越放送)
「放置竹林」――何となく耳にしたことがある言葉でしたが、実際に目の当たりにするまでは、正直なところピンと来ていませんでした。取材で訪れた放置竹林の隣にある畑では、すでに細い竹が何本も生えていました。畑の土の下には竹の地下茎が侵入しており、一度こうなると、その繁殖を止めるのは非常に困難だそうです。
さらに、横方向への拡大だけでなく、縦方向の成長スピードも問題です。樹木が数年から数十年かけて成長するのに対し、竹はわずか1年で成木と同じ高さまで伸びきってしまいます。そして、周りの木々を覆い隠し、太陽光を遮って枯らしていくそうです。周囲の生態系を破壊しながら侵食していく様子は、まるでガン細胞のようだと衝撃を受けました。
その繁殖力に畏怖の念を抱いた私とは対照的に、曽根原さんは危機感を持ちつつも、とにかく明るく前向きです。「種もまかず、水もやらずに毎年勝手に成長してくれる。有効活用することさえできれば、こんなに素晴らしい植物はないよ」と言います。確かに、視点を変えれば無尽蔵の資源、まるで油田のようです。まさにお宝だ、と私も思いました。竹という“自然”といかにうまく付き合っていくか。時代の変化とともに、私たちはその術を忘れてしまったのかもしれません。
さて、取材を進めるうちに、私自身の中にもある変化が生まれました。車窓から見える景色の中で、自然と竹林に目が行くようになったのです。曽根原さん曰く、これは「竹病(たけびょう)」だそうです(笑)。半年間の取材ですっかり曽根原さんのペースにはまってしまいました。今では竹が気になって仕方がありません。そして、厄介者とされている竹が秘める可能性に、私も注目していきたいと思っています。
番組情報
NPO法人いなだに竹Links
【HP】https://chikulinks.org/
純国産メンマプロジェクト
【HP】https://www.japan-menma.com/