#433 青森りんご革命 ~搾りかすをレザーにした男~

2025年07月12日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 青森放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

日本一のりんご生産量を誇る青森県。毎年約2万トンもの「搾りかす」がジュース製造などの過程で発生しています。家畜の飼料などに活用されるものの、再利用しきれず廃棄されているのが現状。長年、青森のりんご産業における課題とされてきました。

そんな搾りかすに新たな価値を見出したのが、青森県出身の若き経営者・藤巻圭さん(40)。搾りかすを一部原料とした人工レザー「RINGO-TEX®(リンゴテックス)」を開発し、注目を集めています。

開発には3年という歳月と多額な資金を費やしました。青森県内だけでは生地や製品にすることができず、日本各地の工場や企業を飛び回る日々…。家族と過ごす時間も取れないほど。困難を乗り越えて完成したレザーは、環境にやさしい素材として評価され、現在では航空会社や路線バスの内装にも採用されています。

元美容師の藤巻さんにとって、レザーの開発は未知の領域。それでも挑んだ背景には「地元・青森のりんごを未来へつなぎたい」という強い思いが…。人工レザーをきっかけに、農家や福祉施設など地域との関わりを強めていきたい…。誰でもりんごの栽培を体験できる場所作りを進める藤巻さん。地元を盛り上げ、りんご産業を持続していくために、仲間を増やしています。ひとりの挑戦が広げた輪と、その先の「未来」を見つめます。

編集後記

ディレクター:船水丈史(RAB企画)

青森県のりんご栽培は明治時代から始まり、2025年で150周年を迎えます。日本一の生産量を誇りますが、高齢化や担い手不足、また温暖化による生産環境の変化など課題もあります。

それらの課題を解決できないか、と立ち上がったのが藤巻圭さん(40)。ジュースなどに加工する際に出る「搾りかす」を使った「人工レザー」を開発しました。石油由来の素材の代替として搾りかすを使用することで、製造時に発生していた二酸化炭素を削減。そして、費用をかけて処分していた搾りかすに付加価値が生まれるので、生産者や加工業者にもメリットがあります。

藤巻さんは人工レザーをきっかけに、青森のりんご産業を盛り上げたい人たちとのつながりを強め、活動の幅を広げている最中です。

地元のために何かをしたいけれど、どうしたらいいのかわからない。そんな方は藤巻さんの姿からヒントを得られるかもしれません。ひとりで挑戦するのはハードルが高くても、活動の輪に入ってみる。ふるさとを良くしたい人たちの背中をそっと押すことができれば、と思います。

 

番組情報

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