#434 世界に届け!鳥取の歌声~リトルフェニックス 65年の軌跡~

2025年07月19日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山陰放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

鳥取県米子市を拠点に活動する「山陰少年少女合唱団」リトルフェニックス。創立から65年、所属するのは小学生から高校生まで。鳥取県のみならず、全国、世界に活動の場を広げています。65年目を迎えた去年、南ヨーロッパ・クロアチアでの国際青少年音楽祭に参加しました。なぜ国外まで公演に行くのか?そこには指導者・原礼子さん(76)の指導方針が息づいています。

「鳥取県で勝負しない。日本で勝負しない」

半世紀以上、合唱団を指導、地域の公民館でも歌の教室の講師を務めています。談笑しながら一緒に歌う原さんですが、合唱団の指導となるとその表情が一変。その理由を尋ねると原さんは、こう答えました。

「厳しいことも言うし、言いたいことを言って。でないと次のときに困るので…」

1997年のパリ公演以降、何度も海外公演を行ってきたリトルフェニックスですが、去年のクロアチア公演の本格的な準備が始まったのは約1か月前。クロアチアの歌はもちろん、言葉すら分からないところからの練習がスタート。初めて訪れるクロアチア、ホームステイしながら続く文化交流と現地の合唱団との合同練習。そして迎えた音楽祭当日…。

「次のときに困るので…」どんな状況でもふだんの練習をきちんとすることで乗り越えられる…原さんの言葉が、満場の拍手につながりました。65年の歴史ある合唱団ですが、子どもたちの成長とともに毎年、そのメンバーが変わります。人が変わっても、伝統と歴史が紡ぐ合唱団は、フェニックス=不死鳥のように毎年毎年羽ばたいていきます。

 

編集後記

ディレクター:六宮貴之(山陰放送)

取材を始めて驚いたのが、合唱団を指導する原礼子さんの指導の厳しさです。
ハラスメントが問題化する今、なぜこんな厳しい指導が受け入れられているのか?
これをどう表現できるか、思い悩みながら取材を進めました。

結論から言えば、受けられている理由は、原さんの「愛」です。
子どもたちのことを考え、将来その経験が人生にどんな風につながればいいのか、試行錯誤しながら指導を続ける原さんですが、結局、大きな成功体験を子どもたちに経験してもらうことが大きな糧となると考えています。そのための尽力が子どもたちに伝わっているんだと感じました。

余談にはなりますが、番組中で合唱団が歌う「故郷」は長野県出身の高野辰之さん作詞、鳥取県出身の岡野貞一さん作曲です。
どこにいても、どこに行っても思い出す故郷への思いが、日本のチカラになればと思います。

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