#450 げんじぃの手作り牧場~ヤギと紡ぐ第二の人生~

2025年11月8日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 北日本放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

富山県氷見市の山間地域・吉懸にある「吉がけ牧場」。約5000㎡の敷地には30頭以上のヤギが暮らしています。誰でも無料でヤギと触れ合えるとあって、休日には県内外からお客さんが訪れます。牧場の管理とヤギのお世話をしているのは、村江元三(げんぞう)さん、80歳。みんなからは「げんじぃ」の愛称で親しまれています。

げんじぃとヤギの出会いは少年時代。げんじぃの母は43歳で出産したため、おっぱいの出に苦労し、げんじぃは「お前は飼われていたヤギの乳で育った」と教わりました。

げんじぃは55年間社長を勤めた会社を70歳で定年退職、幼いころから親しみがあったヤギを飼うことを決意。「過疎化が進むふるさとをヤギと一緒に盛り上げたい」…そんな強い気持ちもあり2年後、たったひとりで吉がけ牧場を作りました。

牧場での生活は想像以上に大変。午前8時ごろから30頭以上いるヤギの朝ごはんを準備。その後ヤギを放牧し、小屋の掃除…。1日中ヤギのために働き続け、自宅に帰るのは午後5時すぎ。80歳の体にはかなり負担のかかる生活ですが「ヤギの世話が生きがい。四六時中ヤギのことを考えている」とげんじぃは話します。

牧場を始めて7年、げんじぃの活動に共感し、ヤギのために一緒に働きたいというボランティアも来てくれるように。げんじぃの「ヤギへの愛」と「ふるさとへの思い」は着実に広がっています。第二の人生をヤギと過ごす、げんじぃの心温まる日常と、牧場を舞台に広がる「人と地域のつながり」を描きます。

編集後記

ディレクター:真岩 幸大(北日本放送)

私が初めてげんじぃと出会ったときの印象は「怖そうなおじいちゃん」でした。
ヤギのごはんとなる草を黙々と切るその真剣な眼差しには、元板金職人としての気迫が感じられました。しかし、ヤギのことをお聞きするとその印象は一変。本当に嬉しそうに微笑みながらヤギへの愛情や熱意を語る姿に私は深く心を掴まれました。80歳を過ぎてもなお、これほど夢中になれるものがあることに羨望すら感じたのです。

約7年前にげんじぃが1人で開いた牧場には、今では多くの観光客やボランティアが訪れます。たくさんの人が集まるのは、ヤギのかわいさだけでなく、げんじぃの魅力が人々を惹きつけているからだと思います。

ライフスタイルや働き方が多様化する現代において、第二の人生のすべてをヤギの飼育に捧げるというげんじぃの一途な生き方は、強く胸を打つものがあります。老後やこれからの生き方について悩む方は多いでしょう。「心から幸せだと思える生き方とは何なのか?」げんじぃの姿はその答えを考えるための大きなヒントになるはずです。
当番組が人生の選択を考えるきっかけになれば嬉しいです。

番組情報

吉がけ牧場
【代表】村江 元三
【住所】富山県氷見市吉懸上田26
【ホームページ】:http://yoshigake.com/

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