#476 さかゑばあちゃんのカレーな人生

2026年07月18日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 南海放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

舞台は、人口およそ11万人の工業都市・愛媛県新居浜市。今、この町で噂のカレー屋さんがあります。おととしオープンしたカレー専門店「酒井カリー」です。ここで働くパートスタッフは平均年齢77歳のおばあちゃんたち。きっかけは、「75歳以上のパートさん募集!」と書かれた求人広告でした。約60人の応募の中から選ばれた、6人のおばあちゃんたちの「第二の“カレーな”人生」が、酒井カリーのオープンとともに始まりました。

おばあちゃんたちの年齢を感じさせない元気で明るい接客は、多くのお客さんをファンにしています。注文を間違えてしまうこともあれば、配膳ミスをしてしまうことだってあります。それでもお客さんは「実家に帰ってきたぐらいの安心感がある」と笑顔で話すほど、店内にはいつも温かい空気が流れています。中でもひときわ存在感を放つのが、77歳の看板娘・尾崎さかゑさん。ちょっと多めのスキンシップとおせっかいが評判で、「さかゑ推し」のお客さんがいるほど。

そんなさかゑさんは、自身の人生を「働き続けてきた」と振り返ります。昭和23年、愛媛県四国中央市生まれ。幼いころに両親を亡くし、中学卒業後はすぐに京都の紡績工場に就職。3年半働いた後、愛媛に戻り結婚しましたが、長くは続きませんでした。それ以降、ダムの工事現場で働いたり、昼夜を問わず3つの仕事を掛け持ちしたりと、死に物狂いで働く日々。

「女ひとりで生きていくには収入がないといけない」

その一心で、誰にも頼らず62年間働き続けてきました。そして2024年。75歳で酒井カリーと出会い、さかゑさんにとって「働くこと」の意味が大きく変わりました。時給は1100円、週3~4日のパート勤務をこなすさかゑさん。今は給料日に買うモンブランと、唯一の家族である姉・鈴子さんと過ごす時間が小さな幸せです。

「昔と今では働く楽しさが違う」と語るさかゑさん。酒井カリーがさかゑさんに加えた人生のスパイスとは。スパイシーでコク深め、カレーな人生を送るさかゑばあちゃんの日常を追いました。

編集後記

ディレクター:清家 陸(南海放送)

「苦労」という字は「幸せ」と読むの-。

主人公の尾崎さかゑさん(77)がいつも言われていたこの一言が、取材を終えた今でも忘れられません。
社会では高齢者が「支えられる側」として語られることが多いですが、酒井カリーではおばあちゃんたちが主役です。私が初めて酒井カリーに訪れたときも、店内にはおばあちゃんたちの笑い声やお客さんとの何気ない会話…まさに番組と同じように温かい空気が流れていました。酒井カリーには、おばあちゃんたちの笑顔を目当てに訪れるお客さんが多くいます。そして、その笑顔に元気をもらい、また会いに来る。それが、この場所の日常になっています。年齢を感じさせない明るさに驚く一方、その笑顔の奥にはそれぞれが歩んできたコク深い人生がありました。

「おばあちゃんたちはなぜ働き続けるのか」

私は今回、この問いを常に頭の片隅におきながら取材を進めました。さかゑさんは数々の苦難を乗り越えながら、生活のために働き続けてきました。その人生を伺えば伺うほど、さかゑさんの笑顔は苦労を1つ1つ乗り越えてきたからこその、強さと優しさからきていると感じます。
そして、給料日に買う「モンブラン」を本当に幸せそうに食べているさかゑさんの姿は特に印象に残っています。決して特別な出来事ではありませんが、これが今のさかゑさんにとって唯一の幸せです。日常の小さな喜びを見つけ、大切に積み重ねる。これもさかゑさんの笑顔につながっている要素の一つだと感じます。

「もう77歳」ではなく、「まだ77歳」

さかゑさんをはじめ、酒井カリーで働くおばあちゃんたちの生き方は年齢を重ねることを前向きにとらえ、人生はいつからでも輝けることを教えてくれました。
おばあちゃんたちのいきいきとした姿、そして現在進行形で歩み続けるカレー(華麗)な人生は、番組を見てくださる皆さんの心にもちょっとしたスパイスを加えてくれるはずです。

番組情報

酒井カリー
【住所】愛媛県新居浜市西の土居町2-12-1)
【公式インスタグラム】@sakaicurry.niihama

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