#477 幸せを紡ぐ羊飼い~島根から私のウール届けます~

2026年07月25日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 日本海テレビ放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

島根県の中央部にそびえる三瓶山のふもとに、日本では珍しいウール専門牧場「KASAGI」があります。24頭の羊を飼っているのは並外れたウール愛を持つ、笠木真衣さん(43)。

神奈川県川崎市出身の笠木さん。動物とは無縁の生活を送っていました。しかし、小説家を目指していた27歳の時、取材をきっかけに織物や糸紡ぎを学び始め、ウールと運命的な出会いを果たします。そこから毎日大好きなウールに触りたい…その一心で、羊の放牧に適した島根県に移住し、自分で羊を飼って独自のウールを作ることに決めたのです。

羊飼いの毎日は朝8時のエサやりでスタート。「おはよ~」「かわいいね~」と声をかけながら、24頭の健康をチェック。刈り取った毛を手作業で洗い、ごみ取り。60キロ以上ある毛を自分の目で確認し、工場に出荷するこだわりっぷり。生地や靴下、カーペットなど20種類以上の商品を販売しています。「羊の健康」と「手作業」にこだわることで、作った生地は日本最高峰の織物コンテストで日本一に輝きました。

笠木さんがいることで、地域にも変化が起きました。高齢化で農場の草刈りに困っていた隣町の農家に羊を貸し出すと、羊が草を食べるおかげで草刈りの負担が減少。さらに、年に一度の毛刈りイベントで小さな町に数百人が訪れるようになったのです。

ウールが好きすぎて、自分のことを「変態」と自称する笠木さんが、家族や地域の人を巻き込みながら、手探りで牧場を運営し「いい羊飼い」を目指して奮闘する物語です。

編集後記

ディレクター:三好亜美(日本海テレビ)

笠木さんの取材を通して、初めて触った「ウール」という繊維。厳密に言うと、普段私が着ているセーターなどにも使われていると思いますが、刈り取った直後の毛はとってもふわふわで、ウールセーターのチクチクしたイメージとは全く別物。しかも油がこってりついていて、なんだかぬるっとしているような…この毛を好きになる気持ちはなんとなく分かりますが、関東から遠く離れた島根に移住して羊を飼おうと決めた笠木さんの行動力は、並外れたもの。

ウールや羊への愛はインタビューでも度々表れました。「ウールを洗っているとめくるめく楽しさが襲ってくる」、「モットーは家事・育児・羊」、最終的には「ウールにこの命を懸けたい」とまで。好きだから羊を飼う。好きだから糸を紡ぐ。自分の好きなウールをほかの人にも知ってほしいから海外での展示会にも挑戦する。その原動力は驚くほどシンプルな好きという気持ち。好きなもののためにここまで人生を動かせる人がいるんだと驚きました。

クリック一つでなんでも買える今の時代。その便利さの一方で、今自分が着ている服がどんな人の手でどんな工程を経て作られているのか、目を向ける機会は決して多くありません。「いい羊飼いになりたい」笠木さんの暮らしや挑戦を通して、身の回りにある衣服に限らず、家族や自分の好きなものに思いを巡らせるきっかけになればなと思います。

番組情報

KASAGI
【Webサイト】https://k-f-s.jp/
【オンラインショップ】https://non-non.farm/
【Instagram】@kasagiwooltextiles
【note】笠木 真衣 https://note.com/non_non_farm

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