#492 歴史を継ぎ 明日を育てる ~沖縄で食肉卸60年 守る男と切りひらく男~

2026年11月07日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 琉球放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

沖縄で60年以上、食肉を届け続けてきた会社があります。浦添市に本社を置く「イバノ」。1963年、日本復帰前の沖縄で米軍向けの牛肉卸として創業し、1976年に現在の経営陣が引き継ぎました。以来、ホテルや飲食店、そして家庭の食卓へと、食肉を届けてきました。その歴史を、二人の男がそれぞれの形で背負っています。

一人は、浦添市の牧港店で店長を務める比嘉一智さん(62)。勤続31年、店長になって30年になります。毎朝レジを立ち上げ、朝礼を終えると、売り上げの集計から一日が始まります。
比嘉さんの牧港店は15年前、近隣にチェーン店が増え経営が悪化。閉店寸前まで追い込まれました。比嘉さんは3日かけて経営計画書をまとめ、役員会議で数字と根拠を示して店の継続を訴えます。厳しい表情で聞く役員たちの前で、平良秀樹社長は「比嘉店長の思いを受け止めたい」との言葉をかけました。総菜コーナーをやめて精肉に力を入れ、目指したのは「沖縄に一つしかない店」。比嘉さんは今もその経営計画書を肌身離さず持ち歩いています。

一方、同じイバノで、まったく新しい場所に踏み出した男がいます。宮古島支店の支店長、砂川裕和さん(46)。宮古島出身で入社23年、去年開業した支店を任され、ほとんどが地元採用の従業員9名を率います。砂川さんを選んだ平良社長は、「彼しかいない」と振り返ります。
支店長としての仕事は幅広く、電話やインターネットで届く注文に目を通し、配送の手配まで陣頭指揮を取ります。合間を見つけて外回りに出れば、訪ねるのはリゾートホテルのレストランや地元の飲食店。大手にはまだ届かない規模でも、料理長や店主と顔を合わせながら、販路を少しずつ広げてきました。もちろん離島ゆえの悩みもあります。台風が近づけば、船便が止まり物流が乱れることも。それでも目指すのは、宮古島にイバノがあってよかったと言ってもらえる支店です。

歴史を守り抜く店長と、新天地を切りひらく支店長。二つの現場をつなぐのは、「100億宣言企業」として歩みを進める会社の、人を育て、笑顔を届けようとする思いです。歴史を継ぎ、明日を育てる。それぞれの持ち場で、その言葉を体現する人々の物語です。

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