#17 讃岐うどんを支える島~いりこの島に学ぶ~

2013年8月18日(日)(テレビ朝日 放送) 西日本放送制作  協力 文部科学省

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香川県といえば、「讃岐うどん」。もちもちっとして、滑らかでコシのある麺には、濃厚な旨みの強い「いりこダシ」が欠かせません。そんな讃岐うどんのダシの原料である「いりこ(カタクチイワシの煮干し)」を支えているのが、香川県西部の瀬戸内海・燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ「伊吹島(いぶきじま)」。周囲5.5キロ、人口600人ほどのこの島が、ブランド煮干しである「伊吹いりこ」を独特の方法で生産しています。

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番組では島に17軒あるイリコ生産者のひとつ「山一水産」に密着。親方は三好康一郎さん(48)。実はこの三好さんのご先祖が江戸末期に島で最初にいりこ生産を始めたと言われる歴史ある網元です。康一郎さんだけでなく、2人の弟、家族、親戚、出稼ぎ従業員ら23名がいりこ作りに携わり、漁の責任者は、康一郎さんの弟・康二(こうじ)さん。

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いりこの原料となる「カタクチイワシ」の漁期は6月10日前後から8月いっぱいまでの2ヶ月余り。漁場である瀬戸内海の燧灘は、潮流も穏やかで水深が浅いため、イワシの骨や身が柔らかく、ダシをとりやすいといわれている。
伊吹島いりこの最大の特徴は漁から加工までを網元が一貫生産し、鮮度が命であるいりこ作りを支えています。イワシを水揚げしてから「イリバ」と呼ばれる加工場で煮沸し、乾燥室に入れるまで30分とかからないのです。漁場から島の工場まで運搬するために、船の速度の速い運搬船が使われるほど。
港に揚げられたイワシは洗浄・選別後、瀬戸内海の海底水と塩水ですぐに釜で茹でられ、うまみをぎゅっと閉じ込める。そして20時間ほど乾燥させ出来上がり。港にならぶ各工場では、家族ぐるみでの作業が繰り広げられているのです。

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そして、”いりこ”の島の食文化も。産地だから食べられる「カタクチイワシの天ぷら」、ちりめんを使った「菜飯(なめし)」なども紹介。
瀬戸内の小さな島に150年続く「いりこ作り」の姿、「島のつながり」を伝えます。

編集後記

ディレクター・プロデューサー:松村 文彦

 たった600人の島に17軒の「伊吹いりこ」製造業者がある「伊吹島」。伊吹島のある瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)は、水深も浅く、波もおだやか。そのため、この燧灘で育った「いりこ」の原料となるカタクチイワシは外海のものと比べ、ちょっとひ弱な「おぼっちゃま」と地元の漁師たちは語る。しかし、そんなおぼっちゃまイワシだからこそ、身が柔らかく味の濃いダシがでるのだという。
番組にも登場した「いりこ漁」取材の翌日、出来上がったばかりの「伊吹いりこ」をそのまま食べてみた。こんなに美味しいものかと感動を覚えた。
瀬戸内海に浮かぶ伊吹島。香川県の観音寺市とを結ぶ船は一日に4便だけ。お世辞にも便利な島とはいえないこの島で、「いりこ作り」が150年間続いているのは、家族、一族のつながりがあるからこそ。自分たちが生まれ育った家や故郷を守りたいという思いがとてつもなく強いからだ。今回取材させていただいた山一水産の網元(親方)、三好康一郎さん。「身内の犠牲の上にこの商売が成り立っている」と語ってくれた。
山一水産だけでなく、島の製造業者のほとんどが家族や親族だけでいりこ作りを行っている。いりこ製造業の経営者・責任者であるとともに、三好さんのような親方は、その一族の長でもある。昭和の時代には水揚げも多く、潤っていたいりこ産業。しかしながら、現在、燃料の高騰、機材の更新など島の業者をとりまく環境は決して楽ではない。人出が足りず島外から人を雇い入れるケースも増えてきた。だからこそ、身内の協力なしには成りたっていかないのだ。しかし4000人余りいた島民の数は年々減少を続け、さらに現在島の小中学生は合わせて20人。少子化だけでなく、島外で生活のベースを構える人たちも多い。
「何かを変えなければ」と三好さんは語ります。でもその前に、「是非「伊吹いりこ」をそのまま食べてほしい」と訴えます。ダシだけではない伊吹いりこの魅力を食べる事で感じられるからです。
讃岐うどんダシの原料である「伊吹いりこ」。銀色に輝くその魚体に、いろんなものが見えてきます。

番組情報

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■山一水産 高松店(三好さんのいりこ販売店 地方発送等対応)
【住所】〒761-0112 香川県高松市屋島中町33-2
【電話】087-841-0227

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■伊吹漁業協同組合(伊吹いりこについて)
【住所】〒768-0071 香川県観音寺市伊吹町3番地1
【電話】0875-29-2011
【FAX】0875-29-2541
【メール】ibuki2011@fancy.ocn.ne.jp

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■本格手打 もり家(森田真司さんのお店)
【住所】香川県高松市香川町川内原1575-1
【電話】087-879-8815
【HP】ホームページ

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■宮川製麺所(イリコだしのお店)
【住所】香川県善通寺市中村町1丁目1-20
【電話】0877-62-1229

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