#41 SEASON ~知床に海の四季を学ぶ①「春・夏」編~

2014年3月2日(日)(テレビ朝日 放送) 北海道放送制作  協力 文部科学省

shokukikou41-3.jpg春。北海道の知床の海に、たくさんの稚魚が孵化する。流氷が残したプランクトンを糧に成長するのだ。半島の東側にある羅臼の町では、遅い春の訪れを祝って祭りが催される。会場でいい匂いを漂わせていたのは、羅臼ブランドとして全国に流通するホッケだ。カマボコに飯鮓(いずし)…ホッケ漁師の奥さんが、ただ焼くだけではない絶品の料理を作ってくれた。
半島西側の斜里町ウトロでは、ウニ漁が始まった。知床のウニは、産卵期に入る前の春が最も美味しい。ウニ漁師の相原晋一さんは、かつてプロのミュージシャンだった異色の経歴を持つ。自ら取ったウニを豪快に鍋に放り込んだ。漁師だからできる贅沢なウニ・ス-プはシンプルにしてコクが深い。漁の疲れを心地よく癒してくれる。
shokukikou41-1.jpg夏、豊富なエサを求めて、南の海から鯨や水鳥がやって来る。羅臼では300人もの漁師が長い竿を使って海底の昆布を取る。「出汁(だし)の王様」とも呼ばれる名産、羅臼昆布だ。実は、取った後も大変な作業が漁師を待ち受けている。洗って、乾かし、湿らせ、天日(てんぴ)に干し、圧(の)して、寝かせて、ハサミで刈って、と約20の作業工程がある。「手間ひまをかけた分だけ昆布はおいしくなる」と漁師は胸を張る。羅臼昆布を出汁だけではなく様々な料理に使いたいと、地元の料理研究会の女性達がメニュー作りに取りかかった。
昆布のうまみを生かした見事な料理が出来上がった…。世界遺産、知床の海に、自然がもたらす食の恵みと人々の智恵を学ぶ。前編は、春と夏の海を見つめる。

編集後記

ディレクター:杉原 薫(株式会社こっち側)

「海の中にも季節がある」。企画した河野Pのちょっと詩的な言葉の意味が、水中映像を見てストンと胸に落ちました。知床のダイバーが20年以上にわたって撮りためた映像。季節によって、海がこんなにも表情を変えるとは思っていませんでした。それがわかっただけでも制作に参加した意義がありました。加えて、自然がもたらす食の豊かさ、漁の奥深さ、調理する人の腕とアイデアなど、まさに「学び」の連続。以前はウニといえば夏の食い物だと思っていたし(知床では春。産卵期前が美味です)、羅臼昆布があんなに手間ひまかけて作っていることも知りませんでした。取材しながら私の頭の中では、某バラエティー番組の「へえ」が鳴りっぱなしでした。見てくださる方にも、たくさんの「へえ」をプレゼントできると思います。

番組情報

shokukikou_toiawase42-5.jpg☆ウニ漁師でギタリスト
カフェバー『GVO(ジーボ)』相原晋一さん

【住 所】〒099-4354 北海道斜里郡斜里町ウトロ西91-5
【TEL】0152-24-3040
【H P】http://www.infosnow.ne.jp/~bm/gvo/index.html

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