#48 復活!江戸前はまぐり 東京湾 伝統の味

2014年5月18日(日)(テレビ朝日 放送) テレビ朝日制作  協力 文部科学省

shokukikou48-2.jpg日本人に馴染みの深い食材、「ハマグリ」。うしお汁に貝焼き、しぐれ煮などが定番です。現在の東京湾、江戸の前の海”江戸前”はアナゴやキスなどの魚介類が獲れ、その恵みの代表格の一つがハマグリでした。

今では想像できませんが、品川や羽田沖は日本有数の干潟で、ハマグリの産地として有名でした。

東京の都市化に伴い漁場の埋め立てが進み、ハマグリの漁場は千葉県側に移りました。しかし高度経済成長期、千葉県でも海岸が埋め立てられ、海水汚染が進み「はまぐり」は東京湾から姿を消してしまいました。

shokukikou48-3.jpgそんな中、東京湾に唯一残った干潟があります。
千葉県木更津市沖の「盤津干潟」です。

12年前、この周辺でベテラン漁師が奇跡的な発見をします。
アサリ漁の最中に、いなくなったはずのハマグリを偶然に見つけたのです。

shokukikou48-1.jpg彼は「もう一度ハマグリを獲りたい」と考えました。
そして千葉県漁連の協力を得て、復活プロジェクトが始動。はまぐりの稚貝を干潟で育て始めたのです。
現在では、奇跡の復活を遂げたはまぐりは「江戸前はまぐり」の名で市場に出回っています。これがふっくらして甘く、美味しいと大評判!

熱い思いで漁を復活させた、漁師たちの知恵と情熱に学びます。

編集後記

ディレクター:市村 奈穂(ViViA)

「東京湾で旬のハマグリ水揚げ」ある時、そんな記事を目にして、東京湾でハマグリが獲れるの!?と私は大変驚きました。しかも、一度絶滅したはずのハマグリを復活させたというのです。漁場は東京から近い、千葉県木更津市。早速、話を聞きに行きました。お会いした漁師さんたちは、70代後半。高齢ながら現役バリバリです。そのうちの一人、木更津市中里漁業協同組合を取り仕切る永峯善次郎組合長は、ハマグリ漁復活に尽力された方です。御年79歳。健康的に日焼けした顔には沢山の年輪が刻まれ、いかにも海の男といった風貌。10代で漁師になったという永峯さん。目をキラキラさせながら「若い頃には、木更津の海で沢山のハマグリが獲れて、多くの漁師がハマグリ漁をしていた」と語ってくれました。しかし、昭和30年代に汚染や埋め立てによって、ハマグリは姿を消します。その後は、環境変化に強いアサリに切り替えて漁をしてきました。そして、60代後半になった永峯さんは、アサリの中に、若い頃獲っていたのと全く同じハマグリを発見します。小さいものが5つあったそうです。当時を振り返り、永峯さんは「二度と会えないと思っていたハマグリにまた会えた。感動した!」と興奮しながら話してくれました。
永峯さんたちが獲っていたのは「内湾性のハマグリ」。東京湾のような穏やかな内海、干潟に育つ種類です。shokukikou_toiawase48-5.jpg身が柔らかくてふっくらしていて、忘れられない味だったそうです。永峯さんの発見をきっかけに復活プロジェクトが立ち上がり、同種の稚貝を木更津の干潟で育て、現在、ハマグリ漁は再開されました。
「江戸前はまぐり」の名で市場に出回っています。
永峯さんたち漁師の、夢とロマンが詰まった味なのです。

番組情報

◆千葉県漁業協同組合連合会 あさり事業所(江戸前はまぐり販売)
【住 所】千葉県木更津市九津間2225
【電 話】0438-41-9121

◆丸冨水産 新橋店(焼きハマグリ)
【住 所】東京都港区新橋3-23-1
【電 話】03-5402-7733
※江戸前はまぐりの貝焼きは 仕入れがある時のみ

◆九段下 寿司政(煮ハマグリのにぎり)
【住 所】東京都千代田区九段南1-4-1
【電 話】03-3261-0621
【H P】http://www.sushimasa-t.com/kudan/

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