#57 日本海の港町に息づく 西洋風郷土料理

2014年8月10日(日)(テレビ朝日 放送) 山形放送制作  協力 文部科学省

shokukikou57-9.jpg四季折々の食材に恵まれた山形県の庄内地方。その中心に位置する港町・酒田市には、昭和40年代初めから、高いレベルの西洋料理の”技”が脈々と受け継がれています。フランス料理は東京オリンピックをきっかけに日本に広まり、当時、東京でも一定のレベルに達した店は数えるほどでした。その時代になぜ、人口10万人に満たなかった酒田に西洋料理が根付いたのか?

shokukikou57-4.jpgそこには「地産地消」の言葉が一般的になる四半世紀前、あまり顧みられなかった地元の食材に、フランス料理と郷土料理の技法を加えた「フランス風郷土料理」という新しいジャンルを打ち立てた一人の料理人がいたのです。

shokukikou57-10.jpgさらに、この料理人の業績に瞠目した時代時代の若き料理人たちは、「庄内DECクラブ」という洋食料理人の組織の中で互いの腕を磨き合っています。地の食材を大切にし、個性を見い出して美味しい料理に仕上げる技、そしてその裏側にある料理人同士が切磋琢磨する姿を通して”地域を元気にする方策”を学びます。

編集後記

ディレクター:堀越武彦(山形放送)

私が生まれた頃に酒田へとやって来た太田政宏さんは、71歳の今も「食の都庄内・親善大使」として県内外を飛び回り、30年以上前から専門学校生や主婦はもちろん、包丁すら持った事の無い会社役員向けにも教室を開き、料理の魅力を伝えてきました。一度“戦場から身を引く”とおっしゃった時には、コックコート姿で指揮を執る姿が見られなくなるのか…と淋しい気がしましたが、かつて伝説を生んだ同じ清水屋5階のレストラン開店を契機に復帰。輝かしい実績を築きながら「厨房での仕事一筋」に向き合う太田さんの姿勢は「私もフランス料理を覚えたい!」と思わせるのに充分なカッコよさなのです。「大変だけど、皆が眠っている間に勉強をする…、市場へ行く。そして食べ終えたお客さんの表情を見たときに…料理人の幸せがあるでしょう?」との言葉が印象的でした。
行政が働きかける「地方からの文化発信」ではなく、時代を先取りした一人の支配人と、それを料理という形で具現化した太田シェフ。その思いを引き継ぐ若手調理人たちの今後に注目です。

番組情報

◆ル・ポットフー
【住 所】山形県酒田市幸町1-10-20 日新開発ビル3F
【電 話】0234-26-2218

◆西洋割烹 花月
【住 所】山形県酒田市こがね町2-25-10
【電 話】0234-25-3966

◆レストラン ロアジス
【住 所】 山形県酒田市中町2-5-1 マリーン5清水屋 レストラン街5F
【電 話】0234-24-0112

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