石川県金沢市にある「株式会社ヒロ」は従業員5人の縫製会社です。繊維産業が盛んな石川県にあって、この小さな会社はキラリと存在感を放っています。社長は、ヒロさんこと大沼洋美さん(41)。ヒロさんが手がける「勝負服」は、専属の縫製工に依頼して、すべて石川県内で手作りする「メイド・イン・イシカワ」の商品です。
和の素材ちりめんとTシャツを組み合わせた「デコ・Tシャツ」や、着る人によってさまざまな形に変化できる「100YOUショール」、また、小さなお針箱など和小物も販売、オンリーワンの商品は、国内外で高い評価を受けています。
番組では、ヒロさんの新商品開発プロジェクト、九谷焼絵柄の生地作りを取材。デザイン段階から試作品になるまでの2か月余りに密着し、業界初となる取り組みを追いました。さらに、ヒロさんの台湾出張に同行。台南市で開かれた金沢加賀工芸展での奮闘ぶりや、現地での反応を取材しました。
地方の小さな縫製会社でありながら、海外からも続々とオファーが来るその商品力は
どうやって生まれるのか?ヒロさんのモノづくりに迫ります。
編集後記
ディレクター:室 孝志(北陸放送)
会うだけで元気をもらえる人、それがヒロさんです。行動はアクティブ、言動はポジティブ、とにかく明るくて元気な人なんです。そんなヒロさんに引っ張られるように約3ヶ月間密着取材をさせていただきました。私の仕事は、地方の小さな縫製会社でありながら、世界で高い評価を受けるモノづくりがどのように行われているかを描くことでした。
オンリーワンの幼稚園の制服や九谷焼絵柄の生地開発などを通して分かったことは、妥協のない商品作りと、客の声に耳を傾ける真摯さ、そして、理屈抜きにカワイイと思えるものを作ろうというヒロさんの遊び心でした。
金沢は今、北陸新幹線が開業して多くの観光客が訪れています。どことなく城下町の風情を感じるカワイイ商品に会いに、金沢にいらっしゃいませんか?