#23 マッシュルームが、馬と田舎を救う!

2015年9月27日(日)(テレビ朝日放送) IBC岩手放送制作 協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

chikara23-4.jpgマッシュルームは、炭火焼や、生で食べられるって知っていましたか?実は、パスタ、ピザ、グラタンにチラリと存在するだけの脇役ではなかったのです。
今年2月、岩手県八幡平市のジオファーム八幡平で、マッシュルームの出荷が始まりました。
ジオファーム八幡平は、約9,800㎡の敷地に、「マッシュルーム栽培ハウス」4棟のほか、14頭の馬が飼育されています。代表の船橋慶延さん(33歳)は、小さい頃から馬が大好きで、競走馬に関わる仕事をするために、栃木、北海道、そして岩手へ引っ越しを繰り返してきました。

chikara23-3.jpg国内の競走馬は、毎年約6,900頭が産まれますが、レースに勝てなくなった馬のほとんどは、殺処分されているのが現状です。船橋さんは引退した競争馬たちのエサ代を稼ごうと、まず「馬の堆肥」を販売し始めました。匂わない、軽い、扱いやすい特徴を持つ「馬の堆肥」は、家庭菜園をしている方を中心に支持を集めました。さらに、「馬の堆肥」で生産できる作物を探してみたところ、ヨーロッパの乗馬クラブがマッシュルーム栽培をしていることを知り、自ら挑戦しました。
船橋さんの目的は、マッシュルーム栽培ではなく、馬の命を救うことだったのです。

chikara23-3.jpgマッシュルーム栽培は、雑菌が大敵で、温度、湿度管理の徹底が必要で、手間がかかります。とくに、岩手県八幡平市の冬は、氷点下10℃を下回ることが当たり前で、栽培ハウスの暖房が必要です。船橋さんは、八幡平市に豊富に湧く「温泉熱」を活用することにしました。こうして、暖房費が灯油の場合よりも半分に抑えることができました。
現在、マッシュルーム栽培に利用する「コンポスト」(堆肥)は、山形県の会社から仕入れいていますが、今後はジオファーム八幡平で飼育している馬達の堆肥を活用する研究を進めています。
マッシュルームの生産量が増えることは、馬達の命を救うことにつながる。里山に馬を放牧すれば、人が集まってくる。そう信じて、今日もマッシュルーム栽培に励みます。

編集後記

ディレクター:関野 俊彦(IBC岩手放送)

今回のテーマを、番組にしたいと思ったキッカケは、「馬ふん」です。この番組の主人公・船橋さんに初めてお会いした二年前、嗅がせてもらった「馬ふん堆肥」は、発酵処理済みとはいえ、ほとんど匂いがなく、これまで感じた堆肥のイメージを覆すものでした。しかし、馬のウンコをテーマにした番組はキツイものがあります。
そんな悩みと匂いを打ち消すように、船橋さんはマッシュルーム生産の事業化を進めていたのです。同時に驚かされたのは、「マッシュルームが馬の堆肥から栽培されること」でした。
癒しの効果をもたらす「馬」をきっかけに、マッシュルームを生産し、地域資源である「地熱」を活用するプロジェクトは、ムダのない循環型農業で、田舎で働くことの魅力を映し出しています。
「八幡平マッシュルーム」は販売開始からまだ半年で、生産量が安定していませんが、ジオファーム八幡平は、馬を増やして生産量を増やそうとしています。私は取材を通じてさらに馬が大好きになりましたが、馬達の表情をうまく読み取れません。
それでも、この番組をご覧いただいた方には、仲間が増えていくことに喜ぶ馬達の表情を、感じ取れることでしょう。

番組情報

◆ジオファーム八幡平(企業組合 八幡平地熱活用プロジェクト)
【H P】http://geo-farm.com/

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