
新潟県の十日町市と津南町一帯を指す越後妻有(えちごつまり)。日本有数の豪雪地であり、魚沼産コシヒカリを生産する米どころでもあります。地域の人たちが代々受け継いできた歴史ある里山に、ちょっと変わった女の子がやってきました。
青森県出身の大平理恵さん(25)と、兵庫県出身の西川美里さん(25)。2人は、風光明媚な棚田で米作りをしながら、なでしこリーグを目指すという、全国にも類をみない女子サッカーチーム・FC越後妻有(えちごつまり)を立ち上げました。農業未経験ながら、女子サ
ッカー選手の新たな道を作ろうと奮闘しています。

越後妻有で開かれる現代アートの祭典「大地の芸術祭」から始まったこの試み。芸術祭を運営するNPO法人越後妻有里山協働機構は、過疎高齢化に悩む地域の魅力を見つめ直し、次世代につなげていこうと様々なプロジェクトに取り組んでいます。その一環から「スポーツ×農業」という新たな発想が生まれました。アマチュアスポーツ選手が抱える就業の課題と、若いチカラを必要とする中山間地の農業の課題を掛け合わせて、未来を切り拓いていこうというものです。

理恵さんと美里さんは、小学生の頃からサッカーを続けるサッカー大好き人間。大学卒業後の進路に悩んでいた時、これまでになかった女子サッカーの枠組みに可能性を感じ、FC越後妻有への入団を決めました。しかし、メンバーが中々増えず、チーム作りは難航します。2人の支えとなっているのは、地元のお年寄りたち。移住してきた彼女たちを受け入れ、応援する人たちと触れ合う中で、”地域を盛り上げたい”という気持ちが強くなっていきます。

「単独チームで試合をし、おじいちゃんおばあちゃんたちを沸かせたい」。新メンバーの加入や退団…葛藤を乗り越え、夢へ挑み続ける彼女たちの成長を追いました。
								
					編集後記
					ディレクター:高橋紘子(新潟放送)
FC越後妻有が立ち上がったのは2016年。チームはこの春で結成4年目を迎えました。立ち上げメンバーの2人は、なでしこリーグ参入という夢へ挑戦し続ける一方で、農業や地域の行事などで、たくさんの地元の人たちと時間を過ごしています。「おじいちゃんおばあちゃんのハツラツとした生き方を倣いたい」、「移住者に世話をやいてくれるのは、心の広さがあるから」など、ハッとするような地域のチカラを教えてくれました。そんな暮らしの中で、彼女たちは地域で頑張る意義を見つけているのだと思います。4月に新メンバーが加わり、また新たな1年が始まっています。サッカーを続けたい!農業をしてみたい!なんだかおもしろそう!と思ったあなた!ぜひFC越後妻有の門をたたいてみてはいかがでしょうか。
 
				 
				
								
					番組情報
					◆NPO法人 越後妻有里山協働機構
【住 所】新潟県十日町市本町6 越後妻有里山現代美術館[キナーレ]内
【電 話】025-761-7767