#240 元気いっぱい!もりのこえん ~里山ようちえんから広がる元気の輪~

2020年11月14日(土)(テレビ朝日 放送) 山口放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

山口県山口市上天花町…豊かな自然に囲まれた山間の町です。人口はわずか51人、過疎・高齢化が進む地域ですが、毎日子どもたちの元気な声がこだまします。上天花町を元気にしているのは、森のようちえん「もりのこえん」の子どもたち。町の古民家を拠点に活動する保育施設で、モットーは「毎日外遊び」。暑くても、寒くても、雨が降っても…子どもたちは近くの山や川に繰り出し、里山を学び舎に元気いっぱい遊びます。

もりのこえんの始まりは6年前、20代から子育て支援活動を行ってきた井出崎小百合さん(53)が「子どもたちが自分で考え行動できる場を作りたい」との思いから立ち上げました。当初は山口市内の公園や広場を遊び場に活動をしていました。しかし、街の人や施設の管理人から「子どもたちの遊ぶ声がうるさい」「木登りは危ない」といった声をもらうことも多く、子どもたちがのびのびと遊ぶ事を受け入れてくれる場所を求めて、市内を転々とする日々が続きました。そして3年が経った頃、知人の紹介から上天花町の人たちと出会い、新たな拠点とすることが決まります。

もりのこえんが来たことで上天花町にも変化が…。これまで静かだった地域に賑やかな声が響くようになり、あいさつやおしゃべりなどのふれあいも、町の人たちにとって大きな楽しみになりました。もりのこえんの行事があれば町の人たちも一緒に加わり、もりのこえんの人たちも地域の行事に参加します。

豊かな自然の中でもりのこえんの先生や町のおじいちゃん、おばあちゃんたちに見守られながら日々大きくなっていく子どもたち…。その元気が里山いっぱいに広がっていきます。

編集後記

ディレクター : 倉光佑典 (山口放送)

取材で初めてもりのこえんを訪れたときは驚きの連続でした。
まず、山口市の市街地から車で10分程離れただけで緑豊かな山、川のせせらぎ、青々と生い茂る田畑、ウグイスの鳴き声・・・私のイメージの「里山」の光景が目の前に広がっていることにびっくりしたのが最初の驚きです。
そして、もりのこえんに到着して取材を始めると、子どもたちの何とたくましいこと!
山に入って木に登り、斜面を滑り、ツルをターザンロープにしてぶらぶら。先生たちも笑って見ています。最初はヒヤッとしましたが、よく見ていると木登りでも、子どもによって登る高さが違ったり、木が違ったり。話を聞くと「あの木はまだのぼれん」。子どもたちも出来ること出来ないことが分かっていて、無茶をして遊んでいる訳ではないみたいです。コケてもケロッとして立ち上がり、毎日泥だらけになって元気いっぱい遊んでいます。その近くで地域のおじいちゃんが田植えをしていて、時々子どもたちを見てニコッと笑う。もりのこえんと上天花町の日常のひとコマです。他にも飼っているヤギに赤ちゃんが生まれると子どもたちは町の人たちに報告に行ったり、七夕の短冊に願い事を書いてもらったり、一緒に夏祭りを楽しんだり、みんなとても楽しそう。特に子どもたちの話を聞くおじいちゃんおばあちゃんたちの笑顔が印象的でした。そして町の人たちも子どもたちに負けじと畑仕事や草刈に精を出し、上天花町が活気づいていく・・・。子どもたちを中心に元気の連鎖が起こっている様でした。
「過疎・高齢化の進む中山間地をどのように存続させるか」
もりのこえんと上天花町の関係性からそのヒントが見えてくるような気がします。

番組情報

森のようちえん もりのこえん
【電話】080-4263-7789
【HP】https://morinokoen7789.wixsite.com/morinokoen

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