#268 デデデデデンケン物語 ~ミセス電子顕微鏡の日常~

2021年07月31日(土)(テレビ朝日 放送) 日本海テレビ制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

日本が世界に誇る最新技術で生み出したスーパーマシン、電子顕微鏡、通称・デンケン!物体をミクロのレベルまで拡大でき、目に見えない不思議な世界へ私たちを誘ってくれる魔法の装置です。このデンケンが大好きな稲賀すみれさん(69)。鳥取県米子市の鳥取大学に所属する解剖学の研究者で、かつてデンケンでニワトリDNAの二重らせん構造の撮影に世界で初めて成功。現在は腎臓病の早期診断方法などを研究、デンケンの技術を最先端医療に繋げようと奮闘しています。そんな稲賀さんが、研究の合間にたびたび足を運ぶ場所が、米子市の児童文化センター。親子連れでにぎわう施設で、稲賀さんは3年前から、子どもたちにデンケンの観察指導を行っています。

稲賀さんにはおととし亡くなった恩師がいます。1985年、80万倍のデンケンを開発し、エイズウイルスの撮影に世界で初めて成功した田中敬一さん。稲賀さんがまだ助手だったころ、田中さんは稲賀さんにニワトリDNAの撮影を依頼。田中さんの指導を受けながら、1年半かけて二重らせん構造の撮影に成功しました。稲賀さんにとって田中さんは、デンケンの楽しさや、目に見えない世界を捉える喜びを教えてくれた人でした。そんな田中さんが生前、よく話していたこと…“目に見えないところに美しい世界が広がっていることを、こどもたちに知ってほしい”…稲賀さんはその思いを未来へつないいでいくため、地元の教育委員会に訴えました。そして2018年、誰でも無料で使えるデンケンが児童文化センターに設置されたのです。それ以来、稲賀さんは研究のかたわら子どもたちにデンケンの観察指導を続けています。

現在、子どもたちがデンケンを知る新たなきっかけになればと、プラネタリウムに電子顕微鏡の写真を投影する取り組みにも挑戦しています。稲賀さんの夢は「デンケンに関わることで、こどもたちの夢につなげてほしい」…デンケンに魅せられた、ちょっと不思議な女性の日々を見つめます。

編集後記

ディレクター:伊藤裕介(日本海テレビ)

私が初めて見た電子顕微鏡(通称デンケン)写真はトマトのがく。想像の斜め上をいきすぎて、目が(@_@)←こんな風になりました。表面に四葉のクローバーのような匂い袋。トマトを触ると、手からトマトの匂いがするのはその匂い袋がはじけるから…理科と無縁の人生だった私でしたが、なんだかとてもロマンチックに感じました。こんな不思議な世界へ連れていってくれるデンケンをもっと知りたいし、知ってほしい、これが番組を企画した理由でした。

取材を進めていくうち、主人公・稲賀すみれさんの魅力にもハマっていきました。自分の研究の合間を縫ってこどもたちにデンケンの観察指導を行うだけでなく、「デンケン写真をもっと拡大したらどうなるだろう?」と、プラネタリウムへの投影にも挑戦。今も好奇心旺盛で、まさに”ミセス電子顕微鏡”という言葉がピッタリな女性です。そんな稲賀さん曰く、電子顕微鏡の研究者は今、どんどん少なくなっているそうです。

この30分間に、デンケンの楽しさと、これを次の世代に伝える稲賀さんの奮闘ぶりを詰め込みました。デンケンに関心をもつ人が増えるきっかけになれば…嬉しいです。

そしてこの番組は、テーマソング『上海帰りの電顕野郎』無しには語れません。

稲賀さんの恩師、田中敬一さんについて歌った楽曲で、作られたのはなんと30年以上前!一度聴いたら忘れられない「デデデデデンケン~♪」はなんと田中さんの肉声です。そしてあのクセになるメロディ…次第に番組スタッフたちも作業しながら口ずさむようになっていきました。「デデデデデンケン、デデデンケン」…ちなみに私、たぶん、もう歌詞を見なくても全部歌うことができます。自信があります。

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