#278 町工場のサンタクロース ~強くて弱い磁石が引き寄せる未来~

2021年10月09日(土)(テレビ朝日 放送) IBC岩手放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

岩手県奥州市の田園地帯にポツンとたたずむ町工場の2代目・菊地晋也社長(48)は、自称「すっからかんの馬鹿親父」。“世界初”の製品を生み出し、海外にも積極的に売り込むスゴ腕でありながら、自らデザインした「イタリアのサッカーチーム風」の制服に身を包み、マスクからはみ出るほどフサフサのちょっと怪しい「ヒゲ」がトレードマーク。

菊地社長が発明した“世界初”は、電気を使わずに「強くも弱くもなる」磁石。誰でも同じ力で固定できるのに、外すのはラクラク。海外で進んでいる“ある動き”を見据えた画期的な製品で、特許はもちろん、大きな賞も受賞しました。

従業員10人と小規模ながら、コロナ禍前は海外とも盛んに取り引きをしていました。朝から晩まで、さぞ忙しくしているのだろう…と思いきや、従業員は終業のサイレンと同時に退社、残業もゼロ。もちろん社長も定時退社…人のいなくなった空っぽの工場で、ある“趣味”に夜な夜な打ち込んでいます。

そんな社長には、何物にも代えがたい「別の顔」が…。たった一人で始めた、クリスマスイブの夜にプレゼントを配り歩くボランティア。年に一度のその日のためにヒゲを伸ばしている力の入れよう。その裏には社長の純粋な理由が…。

東日本大震災から10年を迎えた2021年。社長はある岐路に立たされていました。

一瞬一瞬を謳歌しながら世界と戦う、小さな町工場経営者…モノづくりの極意に迫ります。

編集後記

ディレクター:井坂 桃花

「お茶にしますか?コーヒーにしますか?」とはよく聞かれますが、「お茶にしますか?プロテインにしますか?」と聞かれたのは生まれて初めて。菊地社長のもとを初めて訪ねた時のことです。今でも忘れられません。

社長は確かに少し変わった日常を送っていますが、そこには一本の軸がまっすぐ通っています。「誰かの喜ぶ顔が見たい」という、とても純粋な気持ちです。社長の言葉や表情が持つ不思議な「真実味」――社長が喜んでいればこちらも嬉しくなったり、社長が悔しがっていればこちらも悔しくなったりするような――これは社長の「純粋さ」が持つ魔法。見ている人にもその魔法がかけられたら…と願いながら編集しました。

「誰かの喜ぶ顔が見たい」。一風変わった菊地社長の姿から、モノづくりに携わる多くの人が持つこの思いも伝わったら嬉しいです。

最後に。プロテインにしますか?という質問に、あの時の私は思わず噴き出しながら「では本日オススメのプロテインで」とかなんとか冗談を返してしまったのが、ずっと悔やまれて…。菊地社長ならきっと、社長なりに本気でチョイスしたプロテインを飲ませてくれたんだろうと思うのです。今度お会いした時は体の悩み事と一緒に「おすすめのプロテインください!」と言いたいです。

番組情報

サンアイ精機
【住所】岩手県奥州市江刺区愛宕字金谷127
【電話】0197-35-5518
【HP】http://www.sunai.sk/index.html

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南部鉄器工房 及富
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【電話】0197-25-8511
【HP】https://oitomi.jp/

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