#473 夜須町リメイク物語 ~地元を紡ぐデザイナー~

2026年06月27日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 高知放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

高知県香南市夜須町を拠点に活動するファッションデザイナー、小松希芳(きみか)さん(31)。地元の人が着なくなった洋服や着物を譲り受け、新しい斬新なデザインの衣装にリメイクしています。和柄を取り入れた個性的な衣装は世界的なファッションショーでも高い評価を受けています。

小学校高学年のころから中学生まで、不登校だった小松さん。集団の輪から外れぬよう常にまわりを伺う学校生活になじめませんでした。不安な日々を過ごす中、そっと見守ってくれたのが祖母や教育支援センターの先生など地元の大人たち。教育支援センター「森田村塾」では、学校とは違う自由な環境で大好きなものづくりに没頭し、その姿を見た先生のサポートもありファッションデザイナーを志しました。

そんな小松さんが作るリメイク衣装は、生地を再利用するだけでなく、地元の人の思いも大切にしながら一つ一つ丁寧に作られています。海外のファッションショーからもオファーを受け、国内でも様々なショーに出展する小松さん。それでも活動拠点を変えずに、夜須町での活動やイベントを大切にしています。そこにあるのは地元へ恩返しがしたいという思い。苦しかったときに支えてくれた地元の人たちや自然豊かな町の風景。そして、自分と同じように悩む子どもたちに寄り添いながら、日々製作を行っています。

地元の人の思い出や歴史が詰まった生地を、新たな形で次世代へ繋ぐリメイク衣装。その製作活動を通じて、大好きな地元を“紡ぐ”小松さんの姿を伝えます。

編集後記

ディレクター:西村裕斗

初めて小松さんの工房を訪れた時、ここで衣装を作っているのかと感動しました。実家の離れにあるその部屋からは夜須町の景色が一望でき、風の音や鳥の鳴き声が聞こえてきます。そんな自然に囲まれた場所で黙々と作業する姿が印象的でした。小松さんの作る衣装は地元の人からもらった着物やハギレを使っていて、どれもきらびやかで唯一無二。しかし、完成に至るまでには細かい調整を繰り返し、どの生地を合わせるのがいいか頭を悩ますことも。集中して気づけば何時間もたっていることもあれば、5分で手を止めることもあると言います。海外コレクション出展のきっかけとなったSNSへの作品投稿も、衣装製作はもちろんモデルから撮影まで全てをひとりで行いました。華やかな舞台の裏に、その何倍もの時間、ひとりで地道に作業する姿が想像できました。
しかし、それが苦じゃないと言う小松さん。自身の作品について話すときの表情や口調からも本当に衣装作りが好きなんだなと感じました。

小中学時代に経験した不登校。前を向くきっかけも大好きなものづくりにのめり込んだことでした。母校の中学校で講演した際にはそんな自身の経験から、“自分の好きなことを見つける”ことの大切さを生徒たちに伝えていました。そして同時に“必ずしもその好きなことで一番にならなくていい”、“自分が苦しいとき、しんどいときに支えになるものであればいい”と話していました。
誰しも子どものころ、好きなことで夢を描きます。しかし、ほとんどは夢で終わるのが現実で大人になりいつの間にか、“自分の好きなこと”すら忘れてしまう人が多いのではないでしょうか。私自身もそんな一人であり、だからこそ大好きな夜須町で衣装作りに没頭する小松さんの生き方に魅力を感じたのだと思います。

今回の番組を通して、改めて「自分って何が好きなんだっけ?」と考えるきっかけになり、それが生きるヒントや力に少しでもなれば幸いです。そして、地元夜須町で生きていく小松さんの活動をこれからも陰ながら応援していきたいと思います。

番組情報

小松希芳さん活動について
【公式Instagram】@juno06_official

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